FXのロスカットとは?強制決済の仕組みと回避法

FXには「ロスカット」という仕組みがあります。含み損が一定水準に達すると、FX会社がポジションを強制決済するシステムです。

投資家を守る安全装置ですが、作動した時点で大きな損失が確定します。「あって助かる仕組み」であり「絶対に発動させたくない仕組み」でもあります。

ロスカットが発動する仕組み

発動基準は「証拠金維持率」です。計算式はこうなります。

証拠金維持率(%)= 有効証拠金 ÷ 必要証拠金 × 100

有効証拠金は口座残高に含み損益を足した金額です。含み損が増えれば有効証拠金は減り、証拠金維持率も下がります。これがFX会社の定めた水準を割ると全ポジションが強制決済されます。

水準はFX会社ごとに異なり、100%で発動する会社もあれば50%の会社もあります。口座開設前に確認しておきましょう。

具体例:何円下がるとロスカットか

口座10万円、米ドル/円155円で1万通貨の買いで考えましょう。

必要証拠金は155円 × 1万通貨 × 4% = 62,000円です。証拠金維持率は約161%です。

5円下がって150円になると含み損5万円になります。有効証拠金5万円 ÷ 必要証拠金6万円で維持率は約83%になります。水準100%の会社ならすでに強制決済されています。

10万円で1万通貨だと、たった5円の下落で危険圏に入ります。ドル円は1日1〜2円動くこともありますから、この資金量は余裕があるとは言えません。

ロスカットと損切りは別物

ロスカットはFX会社による強制決済です。損切りは自分の判断で行う決済です。ロスカットに追い込まれる前に自分で損切りできるかが、FXで生き残る分かれ目になります。

ロスカットは万能ではない

急激な相場変動ではロスカットが間に合わないことがあります。2019年1月3日のフラッシュクラッシュでは、ドル円がわずか5分で約4円急落しました。判定処理が追いつかず、口座残高がマイナスになったトレーダーもいました。マイナス分は「不足金」としてFX会社に支払う義務が生じます。

ロスカットを防ぐ4つの対策

①レバレッジを抑えます。証拠金維持率250%以上を目安に、実効レバレッジは3〜10倍にします。

②逆指値で損切りラインを設定します。「いずれ戻る」と放置するのがロスカットへの最短ルートです。

③1回の損失を口座資金の2%以内にします。10万円なら最大損失2,000円がポジションサイズの基準です。

④証拠金維持率を毎日確認します。寝ている間に相場が一変することもあります。

よくある質問

Q. ロスカットで借金になりますか?

通常はなりません。ただしフラッシュクラッシュや週明けの窓開けなど急変時は例外です。余裕ある資金で取引することが最大の防御です。

Q. マージンコール(追証)とは?

ロスカットが近づいていることを知らせる警告で、いわばイエローカードです。追証のないFX会社では基準を割った瞬間に即ロスカットになります。

デモトレードで、わざとロスカットを発動させてみてください。維持率がどう変化し、どこで強制決済されるか体感でわかります。リアルマネーで痛い思いをする前に「負け方」を学んでおきましょう。

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