FXの正式名称は「外国為替証拠金取引」。名前に入っているくらい、証拠金はFXの根幹をなす仕組みです。
証拠金とは、FX会社に預ける取引の担保金のこと。株のように取引金額の全額を用意する必要はなく、この担保金をもとに、預けた金額の最大25倍の取引ができます。これがFXの大きな特徴であるレバレッジです。
たとえば、1ドル=155円のとき1万ドル(155万円分)を取引したいなら、全額用意するのではなく62,000円の証拠金があれば取引できます。155万円÷25=62,000円という計算です。
この仕組みを正しく理解しておくことが、FXで資金を守る第一歩になります。
必要証拠金の計算方法
必要証拠金とは、ポジションを持つために最低限必要な金額です。金融商品取引法により、個人口座では取引金額の4%以上と定められています。4%の逆数が25なので、これが「最大レバレッジ25倍」の根拠です。
計算式はシンプルです。
必要証拠金 = 為替レート × 取引数量 × 4%
1ドル=155円で取引する場合、取引数量ごとの必要証拠金は次のようになります。
| 取引数量 | 取引金額 | 必要証拠金(レバレッジ25倍) |
|---|---|---|
| 1,000通貨 | 15万5,000円 | 6,200円 |
| 5,000通貨 | 77万5,000円 | 31,000円 |
| 10,000通貨(1万通貨) | 155万円 | 62,000円 |
1,000通貨なら約6,200円から取引できる計算です。ただし、これは「最低限の担保」にすぎません。6,200円ギリギリの入金で取引すると、ほんの少しの値動きでロスカット(強制決済)されてしまいます。
必要証拠金=用意すべき資金、ではない。ここを混同すると、あっという間に退場することになります。
3つの証拠金を整理する
FXには紛らわしい「○○証拠金」が複数あります。まとめて整理しておきましょう。
必要証拠金は、ポジションを保有するために最低限ロックされる金額です。上の計算式で求めた金額がこれにあたります。
有効証拠金は、口座残高に保有ポジションの含み損益を加えた金額です。利益が出ていれば口座残高より増え、含み損があれば減ります。「今この瞬間、口座に実質いくらあるか」を示す数字です。
そして、この2つの関係を表すのが証拠金維持率。計算式は次のとおりです。
証拠金維持率(%)= 有効証拠金 ÷ 必要証拠金 × 100
たとえば口座に20万円を入金し、1ドル=155円で1万通貨を保有したとします。必要証拠金は62,000円。含み損がゼロなら、証拠金維持率は20万円÷62,000円×100=約322%です。
ここから相場が逆行して5万円の含み損が出ると、有効証拠金は15万円に減少。維持率は15万円÷62,000円×100=約241%まで下がります。
証拠金維持率の目安——250%以上を守る
証拠金維持率がどこまで下がると危険なのか。FX会社によってルールは異なりますが、多くの国内FX会社は以下のような基準を設けています。
100%以下で追証(追加証拠金)が発生、または即座にロスカットが発動。50%以下でロスカット発動(GMOクリック証券など)。LINE FXやLIGHT FXのように100%でロスカットが発動する会社もあります。
つまり、100%を割ったらもう”赤信号”です。
安全な目安は最低でも250%以上。できれば300%以上を維持したいところです。維持率250%は、実効レバレッジに換算すると約10倍。裏を返せば、レバレッジ3倍以下で運用していれば維持率は800%を超え、かなり余裕のある状態になります。
初心者のうちは「証拠金維持率が300%を下回ったらポジションを減らす」というルールを決めておくだけでも、ロスカットのリスクは大幅に下がります。
実際にいくら入金すればいいのか
「計算はわかった。で、結局いくら用意すればいいの?」
答えは、必要証拠金の3倍以上が一つの目安です。
1ドル=155円で1,000通貨を取引するなら、必要証拠金6,200円の3倍で約2万円。1万通貨なら62,000円の3倍で約20万円。これだけあれば証拠金維持率300%を確保でき、多少の逆行にも耐えられます。
ただし、これはあくまで「最低ライン」。資金に余裕があるほど精神的にも落ち着いて判断できるので、無理のない範囲で多めに入金しておくのが理想です。
逆に、必要証拠金ギリギリでの取引は絶対に避けてください。それは「レバレッジ25倍フルで張っている」のと同じ状態。プロの世界では考えられないリスクの取り方です。
よくある質問(FAQ)
Q. 証拠金は取引のたびに引かれるの?
引かれるわけではありません。証拠金はポジションを持っている間「ロック(拘束)」される仕組みです。ポジションを決済すれば、そのぶんの必要証拠金は解放されて再び自由に使えるようになります。
Q. 為替レートが動くと必要証拠金も変わる?
変わります。たとえば1ドル=155円→160円に上がると、1万通貨の必要証拠金は62,000円→64,000円に増えます。レートの変動で必要証拠金が増えると、その分だけ証拠金維持率も下がるため、円安が進んでいる局面では特に注意が必要です。
Q. 証拠金はFX会社が自由に使えるの?
いいえ。国内FX会社は信託保全が義務づけられており、顧客の証拠金はFX会社の自己資金とは分けて信託銀行に預けられます。万が一FX会社が破綻しても、預けた証拠金は保全される仕組みです。
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※本記事は2026年2月時点の情報に基づいています。必要証拠金の計算基準や証拠金維持率に基づくロスカットルールはFX会社ごとに異なります。取引を始める前に、利用するFX会社の公式サイトで最新のルールをご確認ください。