FXの注文方法一覧―指値・逆指値・IFDを完全解説

FXの注文方法は全部で7種類あります。多いと感じるかもしれませんが、基本は3つだけ。あとの4つは、基本の組み合わせにすぎません。

最初に覚えるべきは成行・指値・逆指値の3つ。この3つを理解すれば、残りはすんなり頭に入ります。逆に、ここを曖昧にしたまま応用注文に手を出すと混乱するだけなので、焦らず順番に押さえていきましょう。

基本の3つ——成行・指値・逆指値

FXの注文はすべて、この3つの組み合わせで成り立っています。まずはそれぞれの違いをしっかり理解してください。

成行注文——「今すぐ」取引したいときに使う

成行(なりゆき)注文は、価格を指定せずに今の価格で即座に売買する注文方法です。「今すぐ買いたい」「今すぐ売りたい」というシンプルな場面で使います。

メリットは、ほぼ確実に注文が成立すること。チャートを見ていて「ここだ!」と思った瞬間にエントリーできます。

デメリットは、スリッページ(注文価格と約定価格のズレ)が発生する可能性があること。相場が激しく動いているときほどズレやすくなります。FX会社によっては「許容スリッページ」を設定できるので、気になる人は活用してください。

なお、FX会社のアプリで「ストリーミング注文」「クイック注文」「スピード注文」と表記されているものも、実質的には成行注文と同じ仕組みです。

指値注文——「この価格になったら」有利に取引する

指値(さしね)注文は、現在より有利な価格を指定して予約する注文方法です。

たとえば米ドル/円が155円のとき、「153円まで下がったら買いたい」と思ったら、153円で買いの指値注文を出しておきます。実際に153円に達すれば自動で約定。達しなければ注文は成立しません。

指値注文の最大の強みは、チャートを見ていなくても狙った価格で取引できること。仕事中でも寝ている間でも、あらかじめセットしておけばチャンスを逃しません。

ただし、相場が指定価格に届かなければ永遠に約定しない点には注意です。「もう少しで届きそうなのに約定しない」というもどかしさは、指値注文あるあるです。欲張りすぎず、現在レートからあまり離れすぎない価格に設定するのがコツです。

逆指値注文——損切りの「保険」をかける

逆指値(ぎゃくさしね)注文は、指値とは逆に現在より不利な価格を指定する注文方法です。別名「ストップ注文」「損切り注文」とも呼ばれます。

なぜわざわざ不利な価格で注文するのか。それは損失を一定ラインで食い止めるためです。

たとえば米ドル/円を155円で買ったあと、「153円まで下がったら損切りしよう」と決めたら、153円で売りの逆指値注文を入れておきます。これで相場が急落しても、153円付近で自動的にポジションが決済され、それ以上の損失拡大を防げます。

FXで退場する人の大半は、損切りができずに損失を膨らませたケースです。逆指値注文は、その最大のリスクを自動で回避してくれる”安全装置”。新規注文を入れたら、同時に逆指値も必ずセットする——これはプロもアマも関係なく、全トレーダーの鉄則です。

もうひとつ、逆指値にはトレンドフォロー(順張り)のエントリーという使い方もあります。「155円の節目を超えたらさらに上昇しそう」と予想するなら、155円で買いの逆指値を置いておけば、ブレイクアウトに自動で乗れます。

応用の4つ——IFD・OCO・IFD-OCO・トレール

基本の3つを理解できたら、次は”組み合わせ注文”です。これらを使いこなせると、チャートに張りつかなくても計画的なトレードが可能になります。

IFD注文——エントリーから決済までを1セットで予約

IFD(イフダン)は「If Done=もし成立したら」の略。新規注文と決済注文を同時にセットできる注文方法です。

たとえば「153円で買って、156円になったら売る」という2つの注文を一度に出せます。新規注文が約定した瞬間に、決済注文が自動的に有効になる仕組みです。

チャートを見る時間がない人にとって、IFD注文はとても頼りになります。ただし弱点がひとつ。決済注文は指値か逆指値のどちらか1つしかセットできないため、「利益確定」と「損切り」の両方を自動化したい場合は、次に紹介するIFD-OCO注文を使います。

OCO注文——利益確定と損切りを同時にセット

OCO(オーシーオー)は「One Cancels the Other=片方が成立したらもう片方をキャンセル」の略。2つの注文を同時に出し、どちらか一方が約定するともう一方が自動キャンセルされる仕組みです。

すでにポジションを持っている場面で威力を発揮します。

たとえば米ドル/円を155円で買っているとき、「158円で利益確定(指値)」と「153円で損切り(逆指値)」の2つを同時にセット。相場が上がれば3円の利益を確定、下がれば2円の損失で撤退——という”出口戦略”をあらかじめ決めておけるわけです。

IFD-OCO注文——エントリーから利確・損切りまで完全自動化

IFD-OCO(イフダン・オーシーオー)は、その名の通りIFDとOCOを組み合わせた注文です。FX会社によっては「IFDOCO」「IFO」と表記されることもあります。

新規注文(IFD部分)が約定すると、利益確定と損切りの2つの決済注文(OCO部分)が同時に有効になります。

具体例で見てみましょう。現在155円のとき、次のように注文します。

  • 新規注文:153円で買い(指値)
  • 決済注文①:156円で売り(利益確定の指値)
  • 決済注文②:151円で売り(損切りの逆指値)

この3つを一度に発注できるのがIFD-OCO注文。エントリーから利確・損切りまですべて自動で完結するため、忙しい会社員トレーダーに特におすすめです。注文を出したあとは、結果を待つだけ。

トレール注文——利益を伸ばしながら逆指値が追従する

トレール注文は、相場が有利な方向に動くと逆指値も自動で追いかけてくれる注文方法です。「Trailing」=追従するという意味で、正式名称は「トレーリングストップ注文」です。

たとえばトレール幅を1円に設定して、155円の買いポジションに154円の逆指値をセットしたとします。

相場が156円に上がると、逆指値も自動的に155円に引き上げられます。さらに158円まで上がれば、逆指値は157円に。このように利益が伸びるほど逆指値も切り上がり、最低限の利益を確保しながらトレンドを追いかけられます

一方、相場が下がっても逆指値は引き下がりません。設定した幅(この例では1円)の分だけ逆行したら決済されます。

明確なトレンドが出ている相場では非常に強力ですが、方向感のないレンジ相場では小さな戻しで決済されやすいのが弱点です。トレンドを見極めてから使いましょう。

トレードスタイル別・おすすめ注文方法

注文方法は自分のトレードスタイルに合わせて選ぶのが大切です。

トレードスタイル メインの注文方法 ポイント
スキャルピング(数秒〜数分) 成行注文 スピード最優先。逆指値で損切りも忘れずに
デイトレード(数時間〜1日) 成行 or 指値+OCO エントリーは状況次第。決済はOCOで自動化
スイングトレード(数日〜数週間) IFD-OCO エントリーから決済まで一括管理。トレールも有効

どのスタイルでも共通して言えるのは、「逆指値(損切り注文)は必ず入れる」ということ。これだけは例外なく守ってください。

よくある質問(FAQ)

Q. 初心者はどの注文方法から覚えればいい?

まず「成行」と「逆指値」の2つを確実にマスターしましょう。成行でエントリーし、同時に逆指値で損切りラインを設定する。この2つだけで、最低限のリスク管理ができるトレードが可能です。余裕が出てきたらIFD、OCOと段階的に覚えていけば十分です。

Q. 注文するとき、特に気をつけることは?

誤発注に注意してください。「売り」と「買い」の方向を間違える、数量の桁を1つ多く入力する——こうしたミスは初心者に限らず起こります。注文確定ボタンを押す前に「通貨ペア・売買方向・数量・価格」を必ず確認する癖をつけましょう。

Q. 指値注文と逆指値注文、どちらを多く使う?

場面によりますが、重要度で言えば逆指値が圧倒的に優先です。利益確定は多少タイミングを逃しても致命的にはなりません。しかし損切りのタイミングを逃すと、一発で大きな損失を抱えます。まず逆指値で”最悪のシナリオ”を限定してから、利益確定の指値を考える。この順番を忘れないでください。

Q. トレール注文はどのFX会社でも使える?

多くの主要FX会社で利用可能ですが、一部対応していない会社もあります。口座開設前に確認しておくと安心です。外為オンライン、SBI FXトレード、GMOクリック証券、ヒロセ通商などの大手はトレール注文に対応しています。

▼ 注文方法の感覚をつかむには、デモトレードで実際に操作するのが最速です

実際のアプリ画面で指値やIFD-OCOを入力してみると、文章で読むよりずっと早く理解できます。→ デモトレードで練習する

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※本記事は2026年2月時点の情報に基づいています。注文方法の名称や仕様はFX会社によって異なる場合があります。実際の取引前に、利用するFX会社の注文ルールを必ず確認してください。