FXのスワップポイントとは?金利差で稼ぐ仕組み

FXには、為替の値動きで利益を狙う方法のほかに「持っているだけで毎日お金がもらえる」仕組みがあります。それがスワップポイントです。

スワップポイントとは、2つの通貨の金利差から発生する損益のことです。たとえば、金利0.75%の日本円を売って金利4%台の米ドルを買えば、その差額分を毎日受け取ることができます。銀行の定期預金が年0.1%前後という時代に、通貨の金利差で年3〜4%相当のリターンが得られる可能性があるのは、FXならではの魅力です。

ただし、「毎日お金がもらえる」という甘い響きの裏にはリスクも潜んでいます。この記事では、スワップポイントの仕組みから計算方法、高金利通貨の落とし穴、初心者が安全に活用するコツまで、正直に解説します。

スワップポイントが発生する仕組み

FXは2つの通貨を交換する取引です。たとえば米ドル/円を「買う」とは、日本円を売って米ドルを買うことを意味します。このとき、売った通貨(円)の金利を支払い、買った通貨(ドル)の金利を受け取る形になります。

この2通貨間の金利の差額を調整したものがスワップポイントです。「金利差調整分」とも呼ばれます。

基本ルールはシンプルで、低金利の通貨を売って高金利の通貨を買えばスワップポイントを受け取ることができます。逆に、高金利通貨を売って低金利通貨を買うと、スワップポイントを支払うことになります(マイナススワップ)。

外貨預金で米ドルを預けると金利がつくのと似ていますが、FXのスワップポイントはレバレッジを使える分、資金効率が圧倒的に高い点が異なります。外貨預金なら155万円必要な1万ドルのポジションも、FXなら数万円の証拠金で保有でき、同じスワップポイントを受け取ることができます。

主要国の政策金利とスワップの関係

スワップポイントの大きさは、通貨ペアを構成する2国間の金利差で決まります。2026年2月時点の主要国の政策金利を確認しましょう。

政策金利
日本 0.75%
アメリカ 4.25〜4.50%
イギリス 3.75%
ユーロ圏 2.15%
オーストラリア 4.10%
メキシコ 7.00%
南アフリカ 7.50%
トルコ 37.00%

日本の0.75%と比べると、どの国も金利が高い状況です。つまり「円を売って外貨を買う」ポジションを持てば、ほとんどの通貨ペアでスワップポイントを受け取ることができます。

特にトルコ(37.00%)やメキシコ(7.00%)、南アフリカ(7.50%)といった新興国通貨は、日本との金利差が大きいぶんスワップポイントも高くなります。ただし、金利が高い通貨には高いなりの理由があります。その点は後述します。

スワップポイントの具体的な金額

「実際にいくらもらえるのか」が一番気になるところでしょう。2026年2月時点の各FX会社の実績値を参考に、代表的な通貨ペアの1日あたりスワップポイントを見てみましょう。

通貨ペア 買いスワップ(1日) 年間換算(概算)
米ドル/円(1万通貨) 約110〜120円 約40,000〜44,000円
メキシコペソ/円(10万通貨) 約160〜170円 約58,000〜62,000円
南アフリカランド/円(10万通貨) 約130〜140円 約47,000〜51,000円
トルコリラ/円(1万通貨) 約35〜40円 約13,000〜15,000円

注意すべきなのは、同じ通貨ペアでもFX会社によってスワップポイントは異なるという点です。各社がカバー先金融機関から受け取る条件が違うためです。スワップ運用を考えるなら、FX会社選びの段階でスワップポイントの水準を比較することが重要になります。

また、スワップポイントは日々変動します。政策金利の変更だけでなく、短期金利市場の動向や為替レートの変化によっても上下します。「今のスワップポイントが永遠に続く」と考えるべきではありません。

スワップポイントはいつ・どうやってもらえる?

スワップポイントは、ポジションを翌営業日に持ち越す(ロールオーバーする)ことで発生します。日本時間で朝6〜7時(サマータイム期間は5〜6時)に取引日が切り替わり、このタイミングで付与されます。

デイトレードやスキャルピングのように、その日のうちに決済した場合はスワップポイントは発生しません。

もうひとつ覚えておきたいのが「水曜日は3日分もらえる」というルールです。FXの受渡は約定日の2営業日後に行われるため、水曜日から木曜日にロールオーバーすると、受渡日が土日を挟んで月曜日になります。その結果、土日分を含む3日分のスワップポイントがまとめて付与されます。

祝日が絡む場合はさらに付与日数が変動するため、各FX会社が公開している「スワップカレンダー」を定期的に確認することが大切です。

スワップ運用のメリット

チャートに張りつく必要がない

スワップポイント狙いの運用は、頻繁な売買が不要です。ポジションを持っていれば毎営業日スワップが積み上がるため、仕事中や睡眠中もコツコツ利益が積み重なります。チャート分析が苦手な人や、忙しくてトレードの時間が取れない人に向いている手法です。

銀行預金とは比較にならないリターン

大手銀行の普通預金金利は0.1%前後です。100万円を1年預けても利息は約1,000円にとどまります。一方、FXで米ドル/円を1万通貨買った場合、年間約4万円前後のスワップポイントが期待できます(2026年2月時点の水準)。レバレッジ3倍なら約50万円の証拠金で保有できるため、単純な利回りで見れば約8%に相当します。

ただし、FXには元本保証がなく為替変動リスクがある点は、預金とはまったく異なります。あくまで参考比較として捉える必要があります。

スワップ運用の3つのリスク——ここを知らないと痛い目に遭います

① 為替差損がスワップ利益を上回る可能性がある

これがスワップ運用最大のリスクです。たとえばトルコリラ/円を1万通貨買って年間約14,000円のスワップを受け取ったとします。しかし、トルコリラの為替レートが1円下落すれば、為替差損は1万円になります。たった1円の下落でスワップ利益の大半が消えることになります。

実際、トルコリラは2015年に1リラ=約50円でしたが、2026年現在は3円台まで下落しています。この間にスワップで得た利益より、為替差損のほうが圧倒的に大きくなるケースもあります。「高金利通貨を買えば儲かる」と安易に考えるべきではありません。

高金利には理由があります。その国が高い金利を設定しているのは、インフレ率が高く通貨価値が下がりやすい環境にあるためです。金利の高さと通貨の下落リスクは表裏一体です。

② マイナススワップの存在

高金利通貨を「売る」側のポジションを持つと、毎日スワップポイントを支払うことになります。短期トレードであれば影響は限定的ですが、放置するとスワップの支払いだけで口座資金が減少します。

さらに注意すべきなのは、受け取りスワップと支払いスワップは同額ではないという点です。多くのFX会社では、支払い側のスワップのほうが受け取り側より大きく設定されています。

③ 金利差の縮小・逆転リスク

スワップポイントは各国の金利情勢によって変わります。利下げが進めば円との金利差は縮小し、スワップポイントも減少します。極端な場合、金利差が逆転してプラスだったスワップがマイナスに転じる可能性もあります。

「今の金利差がずっと続く」と前提するべきではありません。各国の金融政策の動向を確認することが重要です。

初心者がスワップ運用で失敗しないための3つの心得

心得① まずは米ドル/円から始める

高金利通貨のスワップに目が向きがちですが、初心者はまず米ドル/円から始めることをおすすめします。値動きが比較的安定していること、スプレッドが狭いこと、情報量が多いことが理由です。新興国通貨は為替変動が激しく、情報も限られます。

心得② レバレッジは3倍以下に抑える

スワップ運用は長期保有が前提です。途中の為替変動に耐えられる余裕が必要です。レバレッジを上げればスワップ収入は増えますが、ロスカットのリスクも高まります。レバレッジ3倍以下を目安に、証拠金維持率には余裕を持たせることが重要です。

心得③ 為替差益とスワップの合計で判断する

スワップ運用の成否は、スワップ利益だけで判断するべきではありません。為替差損益とスワップの合計がトータルの損益です。

スワップが年間4万円でも、為替差損が10万円であれば6万円のマイナスになります。エントリーのタイミングや損切りラインの設定は欠かせません。「放置するだけで儲かる」投資は存在しません。

よくある質問(FAQ)

Q. スワップポイントに税金はかかりますか?

かかります。スワップポイントは為替差益と同じく「雑所得(先物取引に係る雑所得等)」に分類され、申告分離課税の対象です。税率は一律20.315%です。

Q. スワップポイントだけを引き出せますか?

FX会社によります。スワップ振替機能を備えた会社であれば、ポジションを決済せずにスワップのみを受け取ることができます。

Q. 土日もスワップポイントはもらえますか?

土日は市場が休場のため直接の付与はありませんが、水曜日に3日分がまとめて付与されます。年間では365日分が調整される仕組みです。

Q. スワップ運用だけで生活できますか?

理論上は可能ですが、現実的には多額の資金が必要です。加えて為替変動リスクがあります。副収入として位置づけるのが現実的です。

▼ スワップポイントの感覚をつかむにはデモトレードから

まずはデモトレードで「ポジションを持ち越すとスワップが付く」仕組みを体験することをおすすめします。→ デモトレードで練習する

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※本記事は2026年2月時点の情報に基づいています。政策金利やスワップポイントは日々変動します。最新情報は各国中央銀行および各FX会社の公式サイトで確認してください。FX取引にはレバレッジによる損失拡大リスクがあります。取引は余裕資金の範囲で行ってください。