FXトレードをしていると、150.000円や149.500円といったキリの良い価格帯で相場が止まったり、勢いよく突き抜けたりする場面に何度も遭遇するはずです。
この「キリの良い価格」のことをラウンドナンバー(Round Number)と呼び、略してラウナン(ラナウンとも表記)とも呼ばれます。世界中のトレーダーが意識する心理的節目であり、サポートラインやレジスタンスラインとして非常に高い再現性で機能します。
この記事では、ラウンドナンバーが機能する「本当の理由」から、実践で使える3つのトレード手法、さらにMT4やTradingViewでラウンドナンバーを自動表示する方法まで、まとめて解説します。
この記事の目次
- ラウンドナンバー(ラナウン)とは?
- ラウンドナンバーが機能する3つの理由
- ラウンドナンバー周辺の3つの価格帯を理解する
- 実践!ラウンドナンバーを使ったトレード手法3選
- ラウンドナンバーが機能しないケースと注意点
- MT4・TradingViewでラウンドナンバーを自動表示する方法
- フィボナッチとラウンドナンバーの交差点は最強の節目
- よくある質問(FAQ)
- まとめ
ラウンドナンバー(ラナウン)とは?
ラウンドナンバーとは、末尾がゼロで揃った「キリの良い価格」のことです。FXでは主に以下の3つの単位で意識されます。
100pips単位(トリプルオー): 150.000円、151.000円、1.10000ドルなど。最も強く意識される節目で、日足〜週足レベルのサポート・レジスタンスとして機能しやすい。
50pips単位(ハーフナンバー): 150.500円、149.500円など。トリプルオーの中間地点で、4時間足〜日足レベルで意識される。ボラティリティが低い相場では、100pips単位よりもこちらが先に反応する場合もある。
10pips単位(ダブルオー): 150.100円、150.200円など。スキャルピングやデイトレードなど短期売買で意識される。1分足〜15分足レベルでの反発がよく見られる。
ラウンドナンバーは別名として「キリ番」「ラウナン」「ラナウン」「ダブルオー」「ダブルゼロ」「ゼロライン」とも呼ばれますが、すべて同じ概念を指しています。
ラウンドナンバーが機能する3つの理由
「なぜキリの良い数字で相場が反応するのか?」——単なるオカルトではなく、明確な構造的理由があります。
理由1:トレーダー心理による注文集中
人間はキリの良い数字に安心感を覚えます。「150円まで下がったら買おう」「151円を超えたら損切りしよう」といった判断を無意識に下す傾向があり、結果としてラウンドナンバー(ラナウン)付近に指値注文・逆指値注文が大量に集中します。
新規エントリー、利益確定、損切り——これら3種類の注文がすべてラウンドナンバーに引き寄せられるため、価格がその付近に到達すると必ず売買が活発化するのです。
理由2:オプションバリアの存在
機関投資家やヘッジファンドは、ラウンドナンバー付近にオプション(通貨オプション)のバリア(防衛ライン)を設定することがあります。例えば「150円を割り込ませたくない」という大口のバリアオプションが存在すると、150円手前で大量の買い注文が入り、価格が跳ね返される現象が起きます。
これは個人投資家の心理とは別次元の、実際の大口資金による構造的な要因です。ニュース等で「150円にオプションバリアが観測」といった報道がある場合、そのラウンドナンバーの機能はさらに強まります。
理由3:アルゴリズム取引の参照点
近年はアルゴリズム取引(自動売買)が市場の大半を占めますが、多くのアルゴリズムもラウンドナンバーを参照点としてプログラムされています。人間が作ったアルゴリズムが人間と同じ節目を意識する結果、ラウンドナンバーの機能はさらに強化される構造になっています。
ラウンドナンバー周辺の3つの価格帯を理解する
ラウンドナンバーは「ぴったりその価格」だけでなく、その前後を含めた3つのゾーンとして捉えることで、より精度の高いトレードが可能になります。
ゾーン1:ラウナン手前(10〜20pips手前)
ラウンドナンバーの直前には、「到達前に利確したい」「到達前に仕掛けたい」という注文が溜まりやすい領域です。例えば150.000円が意識されている場合、150.100〜150.200円あたりから売り圧力(利確の売り)が出始めることがあります。
この手前ゾーンでの値動きを観察することで、ラウンドナンバーに到達した際に反発するのか突破するのかを予測するヒントが得られます。何度も手前で跳ね返されている場合は反発の可能性が高く、じわじわとラウンドナンバーに張り付く動きは突破の予兆です。
ゾーン2:ラウナンぴったり
注文が最も集中する価格帯です。ここでの値動きが「反発」か「突破」かを決定します。
ラウンドナンバーに到達した際のローソク足に注目してください。長いヒゲを残して跳ね返された場合は、反発が成功したサインです。逆に、大陽線や大陰線でラウンドナンバーを一気に貫通した場合は、そのまま方向に加速する可能性が高くなります。ラウンドナンバー付近はまさに需給(サプライ&デマンド)がぶつかり合うゾーンでもあります。
ゾーン3:ラウナン抜け後(ブレイクアウト)
ラウンドナンバーを明確に突破すると、そこに溜まっていた損切り注文(逆指値)が一斉に執行されます。150.000円を下抜けた場合、「150円割れで損切り」と設定していたロングポジションが大量に決済され、売りが売りを呼ぶ連鎖反応で価格が急落する——これがラウンドナンバーブレイク後の加速メカニズムです。
ブレイク後は次のラウンドナンバー(50pips or 100pips先)が次のターゲットとなります。
実践!ラウンドナンバー(ラナウン)を使ったトレード手法3選
手法1:反発を狙う逆張りエントリー
ラウンドナンバーでの反発を狙うシンプルかつ高勝率の手法です。
条件:
- 上位足(4時間足以上)のトレンド方向と一致していること
- ラウンドナンバーに到達した足が長いヒゲを残していること
- RSIやストキャスティクスが売られすぎ/買われすぎを示していること(補助的に確認)
エントリー: ラウンドナンバーでヒゲを確認後、次の足の始値で逆張りエントリー
利確: 10〜30pips(反発の勢いに応じて調整。最初の反発なら10〜15pips、勢いが強ければ30pipsまで引っ張る)
損切り: ラウンドナンバーの反対側10〜20pipsに設定(150.000円でロングなら、149.800〜149.900円に損切り)
注意点: ラウンドナンバーに張り付くような値動き(何度もタッチして跳ね返りが弱い場合)は、ブレイクの前兆なので逆張りは避ける。急落・急騰後の反発を狙う手法についてはリバ取り(リバウンドトレード)完全ガイドで詳しく解説しています。
手法2:ブレイクアウト順張り
ラウンドナンバーを明確に突破した方向に乗る手法です。損切り注文の連鎖(ストップハンティング)による加速を利益に変えます。
条件:
- ラウンドナンバーに複数回タッチした後の突破であること(1回目の接触より、3回目以降の突破の方が信頼性が高い)
- ブレイクするローソク足が大陽線/大陰線であること
- 上位足のトレンド方向と一致していること
エントリー: ラウンドナンバーを終値で明確に抜けた足の確定後、次の足でエントリー。またはラウンドナンバーへのプルバック(戻り)を待ってエントリー
利確: 次のラウンドナンバー(50pips or 100pips先)をターゲット
損切り: ブレイクした足の反対側(ラウンドナンバーの内側に戻った場合は即撤退)
手法3:ボリンジャーバンド×ラウンドナンバーの併用
ラウンドナンバー単体ではなく、ボリンジャーバンドのバンドウォークやスクイーズと組み合わせることで、エントリーの精度を大幅に高める手法です。
パターンA:バンド反転+ラウナン反発
ボリンジャーバンドの±2σにタッチしたポイントが、同時にラウンドナンバー付近である場合、反転の確度が高くなります。2つの異なるロジック(統計的な極値+心理的節目)が重なるため、根拠が複合的になります。
パターンB:スクイーズからのブレイク+ラウナン突破
ボリンジャーバンドが収束(スクイーズ)している状態でラウンドナンバーを突破した場合、バンドの拡大と価格の加速が同時に起きやすくなります。トレンド発生のシグナルとラウンドナンバーブレイクが重なる強力なパターンです。
ラウンドナンバーが機能しないケースと注意点
万能に見えるラウンドナンバーですが、機能しない場面もあります。
経済指標の発表直後: 雇用統計やFOMCなど重要指標の発表時は、ファンダメンタルズの衝撃が心理的節目を簡単に吹き飛ばします。指標発表前後30分〜1時間はラウンドナンバー戦略を控えるのが賢明です。経済指標の基本については「FXファンダメンタルズ分析|経済指標の読み方」も参考にしてください。
強トレンドの途中: 一方向に勢いよく動いている相場では、ラウンドナンバーは一時的にしか機能せず、すぐに突破されることが多くなります。大きなローソク足が連続している局面での逆張りは危険です。
過信は禁物: ラウンドナンバーは「意識されやすいポイント」であって、「必ず反発するポイント」ではありません。他のテクニカル指標(移動平均線、フィボナッチ、トレンドラインなど)と組み合わせて、複数の根拠が揃った場面でのみエントリーすることが重要です。エントリー前に通貨強弱(カレンシーストレングス)で方向性を確認しておくと、さらに精度が上がります。
MT4・TradingViewでラウンドナンバー(ラナウン)を自動表示する方法
ラウンドナンバーは手動で水平線を引くこともできますが、複数の通貨ペアを監視する場合は自動表示のインジケーターを使うと効率的です。
MT4の場合
OANDA証券が提供するオリジナルインジケーター「OANDA_Round_Number」がおすすめです。OANDA証券の口座を開設すると無料で利用可能で、10pips・50pips・100pips間隔のラインをチャート上に自動表示できます。
MT4でのチャート分析環境の構築方法やおすすめ業者については、こちらの記事で詳しく解説しています。
→ MT4(メタトレーダー4)とは?国内で使える全7社を徹底比較
TradingViewの場合
TradingViewでは、チャート上に手動で水平線を引くか、コミュニティスクリプトから「Round Number」で検索して無料インジケーターを追加できます。100pips・50pips単位のラインを色分けして表示すると見やすくなります。
フィボナッチとラウンドナンバーの交差点は最強の節目
ラウンドナンバーとフィボナッチ・リトレースメントの水準が一致するポイントは、特に強い節目として機能します。
例えば、USD/JPYが148.000円から152.000円まで上昇した後の調整局面を想定してみましょう。フィボナッチ38.2%戻しは150.472円、50%戻しは150.000円になります。この「50%戻し=150.000円のラウンドナンバー」という一致は、テクニカル的にもトレーダー心理的にも極めて強いサポートとなります。
フィボナッチを引いた際に、主要なリトレースメント水準(38.2%、50%、61.8%)とラウンドナンバーが近い位置にある場合は、特に注目してください。
よくある質問(FAQ)
Q. ラウンドナンバー(ラナウン)は全通貨ペアで有効ですか?
はい、基本的にすべての通貨ペアで有効です。ただし、取引量が多いメジャー通貨ペア(USD/JPY、EUR/USD、GBP/USDなど)のほうが注文の集中度が高く、ラウンドナンバーの機能がより明確に表れます。
Q. ラウンドナンバーとサポレジは何が違うのですか?
サポート・レジスタンス(サポレジ)は過去の値動きから導き出される価格帯全般を指しますが、ラウンドナンバーはその中でも「キリの良い数字」という心理的要因に基づくものです。サポレジとラウンドナンバーが一致する場面は特に強い節目となります。
Q. ラウンドナンバーのインジケーターは無料で使えますか?
MT4では、OANDA証券の口座開設で無料提供される「OANDA_Round_Number」インジケーターが利用可能です。TradingViewでもコミュニティスクリプトで無料のラウンドナンバーインジケーターが多数公開されています。
Q. 仮想通貨(暗号資産)でもラウンドナンバーは機能しますか?
はい、ビットコインの100,000ドルや50,000ドルなど、仮想通貨でもラウンドナンバーは強く意識されます。トレーダー心理が働く原理は同じです。
まとめ
ラウンドナンバー(キリ番・ラウナン・ラナウン)は、世界中のトレーダーが意識する心理的節目です。個人投資家の注文集中、機関投資家のオプションバリア、アルゴリズム取引の参照点という3つの構造的理由から、高い再現性でサポート・レジスタンスとして機能します。
トレードに活用する際は「反発を狙う逆張り」「ブレイクアウト順張り」「他指標との併用」の3つの手法を場面に応じて使い分けることが大切です。そして何より、ラウンドナンバーだけに頼らず、上位足の環境認識やトレンド方向の確認を怠らないことが、安定した成績への近道です。
チャート分析の基本をおさらいしたい方は「FXチャート分析入門」も合わせてご覧ください。まずはデモトレードで、実際のチャート上でラウンドナンバーの反応を確認してみてください。
※ 本記事に掲載の情報は2026年2月時点のものです。相場環境やツールの仕様は変更される場合があります。
※ FX取引はレバレッジを利用するため、預けた証拠金以上の損失が発生するリスクがあります。取引を行う際は、リスクを十分にご理解のうえ、ご自身の判断と責任において行ってください。