コロナウィルスの感染拡大は世界経済に大きな影響を与えています。
営業活動自粛や貿易のストップなどにより多くの世界が経済悪化に悩まされているのが現状です。
こういった経済の悪化が起こると「金融緩和」という言葉がよくニュースで話題になります。
金融緩和とは、為替や物価など私たちの暮らしに大きな影響を与えるものです。
金融緩和のしくみや為替相場に与える影響について知っておきましょう!
金融緩和とは
金融緩和とは経済の不況が起きた際に各国の中央銀行が行う政策です。
通常、経済が悪化すると給与が少なくなるため消費は減少します。
消費が減少すると必然的にものが売れなくなるため、ものの価格は下がります。
価格が下がると利益が減るため、さらに給与は少なくなります。
こうして物価が持続的に下落していくデフレーション状態に陥ります。
そのデフレーションの解消を目的とした政策が金融緩和です。
利下げとマイナス金利
金融緩和の方法の一つが利下げとマイナス金利です。
利下げとは中央銀行が定めている金利を下げる方法です。
金利を下げることによりより多くの個人や起業はお金を借りやすくなり、消費や事業の拡大を促し、民間銀行の経営も安定します。
マイナス金利はその名の通り金利がマイナスになるということです。
金利は通常預けていれば増えるというものですが、マイナス金利では預けると必然的にお金が減ってしまいます。
お金を預けるメリットがなくなるため新たな投資先を探したり、消費の拡大が望めます。
量的緩和
もう一つが民間金融機関の国債を中央銀行が買うことで市場に出回るお金を増やす方法です。
お札を多く刷って社会全体のお金の量を増やすことで市場のお金の総量が増え、必然的に物価の上昇や社会でのお金の廻りを良くさせる目的で行われます。
金融緩和が為替相場に与える影響と経済指標
コロナウィルスの影響により各国での金融緩和にも注目が集まっています。
現にリーマンショックのような、過去の世界経済悪化の際は多くの国が金融緩和に踏み切ったという経緯があります。
金融緩和政策は経済を安定させる目的ですが、為替相場にも大きく影響を与えます。
金融緩和による影響
金融緩和により中央銀行の定められた金利が下がると、その国の通貨は価値を下げて下落のトレンドを作る傾向にあります。
金利が下がることで保有しているメリットが少なくなり、その通貨に魅力を感じなくなることから価値を大きく下げてしまうのです。
2019年7月にアメリカは利下げの金融緩和を実施しました。
この政策は大きなドル安を引き起こす要因の一つとなりました。
大規模な金融緩和は景気回復への期待もあり価値を上げるという見方もできますが、それ以上に通貨への魅力を感じなくなってしまい売りに転じる投資家が多くなる傾向にあるのです。
そのため、相場の変動を知るには金融緩和の政策が行われるタイミングを知っておくことが重要になります。
各国の経済政策会合
では、いち早く金融政策を知っておくにはどうしたら良いのでしょうか。
金融緩和は各国の金融政策会合によって決められます。
国によって頻度や会合の時期は異なりますが、経済指標カレンダーに記載されているものなので意識してチェックしておくことが重要です。
経済指標カレンダーはFXの各会社のHPからチェックできます。
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このような会合による金融緩和の決定は急に行われるものではありません。
日本でいうと日本銀行の黒田総裁が会見を行い金融緩和の実施について示唆することがあります。
中央銀行関連のニュースをチェックしておくことも重要となります。
まとめ
コロナウィルスによる世界経済の悪化は深刻なものです。
これにより世界各国は様々な景気対策を行うと考えられています。
その代表的なものが金融緩和といえます。
それぞれの国の金融緩和政策にも目を向けて相場の分析を行っていきましょう。