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リスクヘッジの両建てと戦略的な両建て


FXを行う上で相場を推測する裏付けとするのは、世の中の情勢から判断するファンダメンタル的手法と、チャートパターンから読み解くテクニカル分析が元になります。
しかし、相場の未来を完璧に予見するのは、どんなに熟練したトレーダーでも不可能で、イレギュラーな外的要因で情勢はいとも簡単に変わってしまいます。
その脅威を避ける工夫は重要で、FXはリスクヘッジの仕方次第で資産の増減が決まってくるとも言えます。

FXのリスクヘッジ方法

FXにおいて損失を最低限に抑えるために重要なのが、リスクヘッジです。
事前にリスクヘッジをする事で想定外の事態を回避できます。

リスクヘッジにはいくつか方法があります。
・サヤ取り 相関係数の高い2種類の通貨ペア同士で取引を行う
・ポートフォリオ 金融工学を基に緻密な計算をし、複数の通貨ペアで取引を行う
・ 両建て 同一通貨ペアを同じ口座でロングとショートの両方で保有する

今回は、同一通貨ペアでロングとショートを保有する両建てについて説明します。

両建ての種類

一口に両建てと言っても両建てにも様々な種類があります。

① FXとバイナリーオプションを利用するリスクヘッジとしての両建て
② FX業者2社を利用するスワップポイントで利益を得る両建て
③ 戦略的な両建て
④ 一時的なリスクヘッジとしての両建て

一つ一つの取引方法について見てみましょう。

取引方法

① FXとバイナリーオプションの両建て

FXでポジションを保持し、思惑が外れる危険性を考慮して、バイナリーオプションで逆のポジションをエントリーする方法です。

以下の状態のチャートの時点でドル円のトレンドの上昇を予測するとします。

まずは5万通貨でのロングポジションを保有します。
バイナリーオプションでは、1万円のLowエントリーをしておきます。
(ペイアウト率は1時間で1.90倍とします)

1時間後に20pips上昇した場合は予測どおりであるため、FXでは1万円の利益が出ました。
バイナリーオプションでは1万円のマイナスのため、この時点での損益は0ですが、このままFXでのポジションを保有することでプラスに転じる可能性は大きいです。

一方予測が外れ1時間後に10pips下落したとします。
この場合はFXは5,000円のマイナスになりますが、バイナリーオプションでは9,000円のプラスになり、この時点で決済すれば4,000円のプラスで終えることができます。

② FX業者2社を利用した両建て

業者間でスワップポイントの差額を狙ってポジションを長期保有し、毎日スワップを蓄積していく手法で、アービトラージとも呼ばれています。

2020年4月のLIGHT FXとDMMFXの南アフリカランド/円のスワップポイントの例で説明します。

LIGHT FXの南アランドのスワップポイントは買いが111円売りが-111円です。
DMM FXの南アランドのスワップポイントは買いが40円売りが-70円です。

10万通貨をLIGHT FXでロングで保有、DMM FXでショートで保有した場合、毎日41円の利益が発生することになります。

ただし、FX業者は異業者間の両建てを禁止している会社も有りますので注意してください。
また、スワップポイントは日々変化するため、マイナスにならないよう随時確認しておく必要があります。

ちなみに今回紹介したLIGHT FXとDMM FXはどちらも両建ては可能だが推奨しないという方針です。

LIGHT FXの口座開設はこちら→LIGHT FX

LIGHT FX

DMM FXの口座開設はこちら→DMM FX

DMM FX

③ 戦略的な両建て

以下のような実際のドル円のチャートパターンを例に説明します。

青①がMACDのデッドクロスポイントになりますので、①でショートでエントリーします。
下落してMACDの最安ポイントの赤①でロングでエントリーします。
この時点でショート①とロング①の間で利益が発生します。

さらにトレンドラインに近づく青②でショートでポジションを追加。
チャネルラインに近づいた赤②でロングでポジションを追加します。
ショート②とロング②の間でも利益が出ることになります。

以降、青③~⑤と赤③~⑤で利益を積み上げながらポジションを増やしていきます。

トレンド反転の兆しが見られたら、ショートポジションは全て決済して利益確定します。

トレンド反転の判断基準は、MACDの逆山が③の位置を頂点に、以降、山は小さくなっていますので、⑥の0ライン位置で反転を想定しショートを全決済します。

 

⑥でショートのポジションを決済した後は保有しているロングのポジションキープしたまま利益を重ねていきます。

このときに行うのがつなぎ売りの両建てです。
取得しているロングポジションに対して、MACDの指示とチャネルラインに合わせてショートポジションを挟み込みます。
青①の位置でショートポジションのエントリーをし、MACDが0ラインを超えた赤丸でショートポジションの決済をします。
青②~④も同じ作業を繰り返します。

考え方としては、長期保有のロングポジションに対して、日銭稼ぎとしてショートポジションのエントリーと決済を繰り返し、収益を上げる方法です。

ドル円のロングポジションは毎日スワップポイントが受け取れるため、ロング保有でのプラスでの利益も見込めます。

④一時的なリスクヘッジとしての両建て

証拠金維持率を十分に残した状態で、反対ポジションを持ち、トレンドの反転(セリングクライマックス)を待つ方法です。

相場は値幅の上下動を繰り返しながら、一定方向へ進んで行きますが、過熱感からロングポジション保有者が一斉にロスカットされてセリングクライマックスを迎えることもあります。
今までトレンドに乗ってショートポジションを積み重ねていたトレーダー達がショートポジションを利益確定することで、相場は上昇へ一挙に動きだし、トレンドは転換します。

このトレンド転換を見逃さず、ショートの決済をすることができれば、ショートでの利益を確定し、そしてアップトレンドで機を待ち、充分に上昇したところでロングの決済をすることで利益をふくらませることができます。

両建てを行い、ロスカットを防ぎつつ利益を増やす方法です。

まとめ

両建てには二種類の意味合いがあります。
一つはリスクヘッジ、もう一つが戦略的に利益を増やすものです。

両建てをマスターすることでトレードが有利になることは間違いないですが、一方で両建てには欠点もあります。

紹介したアービトラージもその良い例で、スワップポイントで利益を狙うはずがスワップの変更でマイナスになってしまうリスクもあります。
また、海外FXでは禁止になっているところが多いアービトラージは国内のFXでも禁止にならないとも限りません。

メリットデメリットを理解したうえで、業者選びや最新の情報をチェックしてさらにトレードの技術を発展させていきましょう!

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