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リスクヘッジ&世界三大利殖 サヤ取りでローリスクな取引を


FXにおいて損失を最低限に抑えるために覚えておきたいリスクヘッジ。
主なリスクヘッジの方法の「サヤ取り」「ポートフォリオ」「 両建て」のうち、前回の記事では両建てを紹介いたしました。

前回の記事はこちら→リスクヘッジの両建てと戦略的な両建て

今回は世界三大利殖の一つとも言われているサヤ取りについて解説していきます。

サヤ取り手法の種類

サヤ取りは「裁定取引」「アービトラージ」とも言われ、堅実で安全な取引方法になります。
両建ての際にも紹介した、同じ通貨でのFX業者の受け取りスワップポイントと支払いスワップポイントの差額を狙い取りする両建ての手法も、異業者間スワップサヤ取りと言われています。

その他に有名なのが、相関係数(連動性)の高い通貨間に発生するサヤ幅の開閉に合わせて売買を行う通貨間サヤ取りです。
今回はこの相関係数を使った通貨間サヤ取りに注目してみましょう。

通貨間サヤ取りとは

通貨間サヤ取りとは、連動性が高い2つの通貨をロングとショートの両方で取得し、サヤの開きで利益を得る方法です。
連動性が高ければ、ロングでポジションを取っている通貨が下がれば、ショートポジションの通貨も連動して下がるので、リスクを抑えた取引ができます。
そのため、いかに連動性の高く利益をあげやすい通貨ペアを選ぶかが大きなポイントとなります。

効果的なサヤ取りの方法は、サヤ幅の開きが大きいときに両ポジションをとり、サヤ幅が狭まったタイミングで決済します。

サヤ取りに適した通貨ペアの選び方

サヤ取りに適した通貨ペアを選ぶ際に、基準となるのが相関係数(通貨ペア同士の連動性)です。

相関係数とは

相関係数の基準は、+1に近付くほど連動性が高い通貨ペアになります。

逆に、-1に近付くほど真逆の動きをする通貨ペアとなり逆相関係数が高い通貨ペアとなります。

通貨ペアの連動性は-1+1までの数値で、連動性が表示されることになります。

相関で選択する場合は10年間以上の期間に渡り相関係数が+0.9を超える通貨ペアが最適です。

逆相関で選択する場合は10年間以上の期間に渡り相関係数が-0.9を超える通貨ペアが最適です。

ただし、相関係数が+1-1ではサヤが発生しませんのでサヤ取りは出来ません

 

相関係数の計算方法

相関係数の計算にはエクセルの関数を使うのが便利です。
エクセルで使う関数はCORREL関数です。
CORREL関数は2つのセル範囲の相関係数を返す関数で、” CORREL(配列1, 配列2)”で指定します。
比べたい通貨ペアの一定期間の初めの値から終わりの値をエクセルに入力し、カッコ内の配列1と2には入力したそれぞれのセルを指定します。

サヤ取りに適した通貨ペア

サヤ取りに人気の通貨ペア、オーストラリアドル/ニュージーランドドルとユーロ/米ドルで計算してみましょう。

◆オーストラリアドル/ニュージーランドドル(AUD/NZD)

  1. AUD/NZDの通貨ペアでサヤ取りをする場合
  2. 通貨の組み合わせ…AUD/JPY(オーストラリアドル/円)、NZD/JPY(ニュージーランドドル/円)
  3. 20年間の相関係数…0.8927

 

◆ユーロ/米ドル(EUR/USD)

  1. EUR/USDの通貨ペアでサヤ取りをする場合
  2. 通貨の組み合わせ1…EUR/ZAR(ユーロ/南アフリカランド)、USD/ZAR(米ドル/南アフリカランド)
  3. 通貨の組み合わせ2…EUR/TRY(ユーロ/トルコリラ)、USD/TRY(米ドル/トルコリラ)
  4. 20年間の相関係数…EUR/ZAR、USD/ZAR=0.947  EUR/TRY、USD/TRY=0.991

 

上記の場合は、AUD/JPY(オーストラリアドル/円)、NZD/JPY(ニュージーランドドル/円)の組み合わせは相関係数が0.8927で0.9を超えていませんので候補から外します。

EUR/ZAR(ユーロ/南アフリカランド)、USD/ZAR(米ドル/南アフリカランド)或いは、EUR/TRY(ユーロ/トルコリラ)、USD/TRY(米ドル/トルコリラ)はいずれも相関係数が0.9を超えているのでサヤ取りに向いている通貨ペアといえます。

では、エクセルにEURとUSDの相関係数を更に詳しく見ていきます。
ZARとTRYそれぞれの通貨ペアでのデータを落とし込んで比較したのが以下の結果です。

EUR/ZAR&USD/ZARの総関係数

EUR/TRY&USD/TRYの相関係数

EUR/ZAR&USD/ZARは20年間で0.947、1月間は0.919の相関係数と表示されています。
EUR/TRY&USD/TRYは15年間のデータで0.991、1年間は0.980の相関係数と表示されています。

上記表で注目をして頂きたいのは、サヤ幅です。

サヤ幅は通貨ペア間のサヤの開き具合を数値化したデータです。
20年間と15年間で比べる期間は多少異なりますが、サヤ幅平均はEUR/ZAR&USD/ZARが1.82、EUR/TRY&USD/TRYは0.52。
サヤ幅が最大で開いた時はどちらもリーマンショック時で、EUR/ZAR&USD/ZARが4.727、EUR/TRY&USD/TRYは1.116です。

EUR/TRY&USD/TRYは相関係数が高過ぎてサヤが大きな収益を上げる程には幅の開きが少ないため、EUR/ZAR&USD/ZARのほうがサヤ取りには適しています。

トレード例

実際のチャートは以下になります。

サヤ幅が開いたときにショートとロングを購入し、サヤ幅が狭くなったときに決済します。

・2020年3月9日16:00にサヤが開きEUR/ZARを18.12251で3万通貨ショートポジションで取得、USD/ZARを15.8583で2万通貨ロングポジションを取得

・2020年3月19日16:00にサヤが閉じたので全ポジション決済。

上のチャートの場合は、約100pipsの収益が得られます。

 

まとめ

FXでのリスクヘッジのトレードの一つ、サヤ取り。

サヤ取りをするのに、重要なポイントは通貨選びです。
相関係数が低い通貨ペアではサヤが開いたら、そのまま永遠に開いて行くかもしれず、リスクヘッジになりません。
また、相関係数が高過ぎてもサヤ幅の変化がないため、収益に繋げられません。
相関係数と共にサヤ幅も通貨選びには重要な条件となります。

サヤ取りに興味を持たれたら、ターゲットとなる通貨ペアの、長期データを入手してエクセルに落とし込み、相関係数とサヤ幅の開閉を調べた後にトレードを始めるようにすると良いでしょう。

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