FXで利益を出すために日夜、研鑽を積み努力を重ねることは、個人投資家も機関投資家も変わりません。
しかし、投資家の心理は皆、それぞれの状況により異なります。
市場に参加しているトレーダーは、レートが上昇を続けると心理的に強気になります。
そして、下落が続きますと弱気になる傾向が見られます。
レートの変動は、市場参加トレーダーの思惑が数値として現れ、多くの同意を得た方向へ動いて行きます。
今回、解説する「サイコロジカルライン」は、相場に参加している投資家たちの心理を数値化してチャートにラインで表示してくれます。
サイコロジカルラインはどんなインジケーター?
サイコロジカルラインの表示される仕組みは、一定の期間(対象期間)を設けて、上昇や下降をした日数が、定めた期間の何パーセントに当たるのかを計算することで投資家の心理を数値化します。
それをチャートにラインで表示するため、相場参加者の心理を表すライン(Psychological Line)」と言われています。
サイコロジカルラインの計算式について
サイコロジカルラインの計算式は簡単で非常に覚えやすいです。
<計算式>
サイコロジカルライン=(対象期間の価格上昇日の日数)÷(対象期間の日数)×100%
まず、対象期間を決めます。
パラメーターに設定した、対象期間中にローソク足の陽線が何本現れたかでラインが出来上がります。
ローソク足のサイズは小さくても、大きくても同じくカウントされ、値幅は無視されています。
例えば対象期間を12日間と決めた場合に、9日以上連続して価格が一方方向へ動くことは非常に少なく、その場合は75%の基準ラインに到達します。
サイコロジカルラインの設定方法
サイコロジカルラインを細かく設定する場合は、下限設定と上限設定を決めます。
設定なしでも良いですが、買われ過ぎ、売られ過ぎのラインを見やすくするためには中間を50%になる様に、下限は「0」で、上限は「100」に設定しといた方が見やすくなります。
次に設定するのがパラメーターの入力です。
サイコロジカルラインの設定は、始めに分析対象期間を何日に設定するのかを決めます。
一般的には12日間の設定が使われます。
レベル表示が入れられる場合は、25%・50%・75%にレベルラインが入ると判断がし易くなります。
サイコロジカルラインの使い方
計算式からも分かりますが、ローソク足の日足で使った方が効果的で、判断し易いです。
では、サイコロジカルラインの見方は、
「25%」ラインを下回ってきたら、売られ過ぎになります。
「50%」ラインの位置は中立との見方になります。
「75%」ラインを超えてきたら買われ過ぎになります。
パラメーターで設定した、対象期間12日間の内、9日間陽線が出て上昇し、3日間陰線が出た場合、サイコロジカルラインは75%基準に到達します。
逆に、9日間、陰線がでて下落、3日間、陽線が出た場合は25%位置にサイコロジカルラインは居る事になります。
これは逆張りの指標として使われています。
そして、9日間の負けが続いた25%ラインを下回ったから、反転して上昇をするだろうとなります。
50%ライン位置は中立ですので様子見です。
チャートでサイコロジカルラインを検証
サイコロジカルライン単体での検証と、サポート用に他のインジケーターを併用させて検証をしてみます。
サイコロジカルラインのみで検証
上記画像はドル円の日足画像です。
黄色●の位置では、サイコロジカルラインは売買サインとして利いています。
黄色●の位置で、ショートエントリーをしますと、400pips以上の大きな利幅が取れるのがお分かりいただけると思います。
しかし、赤色▲位置は25%ラインに達していますが、ここでロングエントリーをしますと損切になります。
また、4ヵ所の緑色★印位置は75%と25%に達しないために全く無視をされてしまいました。
サイコロジカルラインが値幅を考慮に入れない事が原因で、このように取りこぼしや間違ったサインと認識してしまう場合があります。
それを防ぐのが他のインジケーターとの併用です。
サイコロジカルラインにMACDを併用して検証
サイコロジカルラインの使用だけの場合に無視されてしまっていた緑色★印位置4ヵ所は、MACDではシグナルラインの交差ポイントになっています。
ゴールデンクロスやデッドクロス位置になるため注目したほうがよいという判断ができます。
まとめ
サイコロジカルラインは、投資家心理を表す指標として便利に使えますが、ローソク足の値幅を考慮に入れていませんので、単体で使うと取りこぼしや、不必要なエントリーをする危険があります。
ただし、この弱点はMACDなどの他のインジケーターと併用することで、補うことが出来ます。
相場の流れは人が作っています。
投資家心理を判断基準にすることで、相場の流れは読みやすくなります。
ぜひ、使いこなしてトレードに役立ててみてくださいね。