引き続き新型コロナウィルスの影響は各国の通貨にも影響を与えています。
4月辺りから景気の緩やかな回復の基調が出ていた米国、ユーロ圏もその速度は鈍化し下落に転じている通貨もあります。
その背景には各国の経済指標や要人発言、新型コロナウィルスが関係しています。
景気回復の方向に向かっていた各国に何があったのかを解説いたします。
急落が目立った米ドル
9月1日に発表された米ISM非製造業景況指数や4日に発表された米失業率が市場の予想を上回ったことからドル円は106.500辺りまで上昇をみせました。
しかし、15、16日に行われたFOMC(米国連邦公開市場委員会)では政策金利の据え置きを示唆するハト派的な内容になり16日に発表された米小売売上高が下落したことから一時104円辺りまで下落する動きとなりました。
下旬には追加経済対策の進展への期待感から105.500辺りまで回復しました。
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調整場面のユーロ
9月上旬にECB(欧州中央銀行)高官レーン理事によるユーロ高牽制とも取れる発言と英国とのEU離脱交渉の懸念から一時1.17500辺りまで下落しました。
下旬には新型コロナウィルスの再拡大と再びロックダウンが施工される警戒感とECB総裁ラガルド氏に発言により、さらに下落し1.16000辺りまで下落しました。
しかし、その後EUに対して好結果な指標発表が好感され、1.17500辺りまで回復しました。
上昇も一服の豪ドル
半年近く上昇を続けていた豪ドルもその勢いは0.74000辺りで上げ止まりました。
下落の要因はFRB(連邦準備理事会)の要人発言で利上げを示唆するものがあったことと、22日のRBA(オーストラリア準備銀行)の副総裁デベル氏の国債購入、為替介入、利下げ、マイナス金利導入を視野に入れているとの発言にくわえ、追加緩和を示唆する発言が重なったことです。
一時0.70000近辺まで下落した一方で、関係が悪化している中国への鉄鉱石の輸出量は好調でビクトリア州政府による新型コロナウィルス規制の前倒し解除の確約と前向きな材料も出てきていることから今後に期待感も感じられます。
下落が目立ったポンド
4ヶ月ほど上昇していたポンドは9月に入り急落しました。
その原因は英国内で再び新型コロナウィルスの感染者が急増したことと、11月以降の政府からの給与支援策の縮小の決定です。
英国景気の下振れ予想からポンドの下落に繋がり一時1.27500辺りまで下落しました。
また英国のEU(欧州連合)離脱問題では、ジョンソン英首相がEUとのFTA(自由貿易協定)の交渉期限を一方的に決定し、さらに離脱合意の内容変更を英議会に提出したことからEUは反発の色を強めており「事実上の合意なき離脱」となる可能性が高まったのも要因です。
さらにBOE(英国中央銀行)がマイナス金利導入を示唆したことからも下落の後押しをしたものと考えられます。
しかしその後BOEベイリー総裁がマイナス金利導入について牽制的な発言し、副総裁のラムスデン氏も政策金利は現状維持の発言をきっかけに1.30000辺りまで回復をみせました。
まとめ
9月の為替相場は総じて主要通貨は下落傾向にありました。
月末にかけて回復した通貨もありましたが油断はできません。
一時は落ちついたかのようにみえた新型コロナウィルスですが再び猛威を奮い感染者数の拡大やそれに伴う政策の内容次第で為替相場は大きく変動します。
英国のEU離脱問題や11月の米国大統領選挙といったビッグイベントが残る2020年は、さらに大きく素早く相場が変動する可能性があります。
今後の為替相場の動きに注視していかなければいけません。
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