10月になっても、引き続き新型コロナウィルスは猛威を奮っており、各国に様々な影響を与えています。
感染拡大に伴い第2波3波が警戒されるなかそれぞれの国で施策された対策や通貨に与えた影響も様々です。
また、11月3日に行われる米国大統領選挙の影響もあり、10月は各国とも米国の経済指数や要人発言に大きく影響される為替相場となりました。
大統領選挙前の上値が重い米ドル円
月初はトランプ米大統領の新型コロナウィルス感染が判明し、先行きの不透明感から市場はリスクオフ(円高・ドル安)の動きとなり105円半ばから104円台後半まで下落しました。
翌週にはトランプ大統領の公務復帰やトリプルブルー(大統領、上下両院民主党が勝利)が有力視され、株式相場、長期金利は上昇し一時106円辺りまで上昇しました。
しかし、ムニューシン財務長官と民主党のペロシ下院議長による追加経済対策の合意が難しいことが明確になり、10月の米消費者信頼感が市場予想に反して低下したことをきっかけにドル円は下落しました。
7~9月期実質GDPは33,1%上昇し市場予想を上回り持ち直しが期待されましたが、欧州での新型コロナウィルス対策のロックダウン(都市封鎖)も嫌気され105.500辺りから一時104円丁度辺りまで下落しました。
米国大統領選挙の期日前投票やコロナ対策の郵便投票などによる票の集計が遅れ、次期大統領選出までにタイムラグが発生する事への懸念を含んだまま11月を迎える結果となりました。
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経済の下振れが懸念され下落したユーロ
月初は米経済対策協議に対する楽観的な見方から125円辺りまで上昇しました。
月央にかけてはドイツやフランスで12月初旬までのロックダウン実施の決定や夜間外出禁止令を受けて市場は嫌気をさしユーロは売られ始めました。
しかし、英国とEUの通称交渉が継続されたことで、交渉決裂の不安が緩まり、月初の高値である125円を目指す動きとなりました。
ECB(欧州中央銀行)は政策の現状維持を表明したが、新型コロナウィルスの新規感染者数が過去最多となり景気の衰退を指摘し、12月の理事会での追加緩和を示唆しました。
7~9月の実質GDPは前期比増と3期ぶりに増加し市場予想を上回りましたが、10月の消費者物価指数は低下しました。
これらの影響を受けて月末には125円辺りから122円辺りまで下落しました。
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自国より米国に左右されそうなオーストラリア
調査会社のロイ・モーガンが発表した消費者信頼感は上昇傾向が継続し、7~9月の
豪消費者物価指数も上昇して伸びが加速し、前年比でも上昇を継続しました。
しかし、豪中央銀行(RBA)の目標の2~3%を下回り続け、欧州での再度ロックダウンや
米国中西部での新型コロナウィルスの感染者拡大を受け、第3波との判断も影響して
76.500辺りから73円辺りまで下落しました。
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EUとの交渉が鍵となるポンド
EUとの貿易交渉では15.16日に開催された欧州理事会でEUは英国を牽制しつつも交渉継続の前向きな姿勢を示したが、ジョンソン英首相は再開の目処はたっておらず、貿易交渉の不透明感が広まりました。
また、新型コロナウィルスの感染拡大を受けて英国内での行動制限措置も検討されており、経済の回復ペースはさらに緩やかなものになりそうとの見込みから為替相場は137.500辺りから135円辺りまでを上下しました。
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まとめ
10月の為替相場は米国の大統領選挙を11月3日に控えた様子見モードかと思えましたが、新型コロナウィルスによる各国の経済対策や英国のEU離脱問題など、イベントや問題が豊富にあり各通貨共上下する展開となりました。
11月はコロナの影響とともに、米大統領戦の結果を踏まえた相場の動きにも注目です。