フィボナッチ数は、ヒマワリの種の配列、ロマネスコの螺旋、アンモナイトの渦など、自然界に数多く出現しています。
例えば、ロマネスコの場合、円錐が螺旋系に並んでいて、螺旋の数を数えていくとフィボナッチ数の13が現れてきます。FXのチャートもフィボナッチに関連して連動することが多いため、それを体系化してFXトレードに応用し、いまでは世界中のトレーダーが利用するようになっています。
その一例が「押し目買い」と「戻り売り」。
FXでこの2つの最適ポイントが掴めれば、トレードは優位に進められます。
今回、フィボナッチ数列を利用して、押し目買いと戻り売りのポイントを見つける方法を解説していきます。
フィボナッチとは
イタリアの数学者レオナルド・フィボナッチが中世時代に発見した、前の2つの数を加えると次の数になるという数列と、それを発展させて前後の数値で割っていく比率などを言います。
フィボナッチ数列
前の2つの数を加えると次の数になるという数列です。
具体的には、下記のような計算で出てくる数値の列になります。
<フィボナッチ数列:計算式>
1
1:1+0
2:1+1
3:1+2
5:2+3
8:3+5
13:5+8
21:8+13
34:13+21
55:21+34
89:34+55
144:55+89
フィボナッチ比率
先ほどのフィボナッチ数列を1つ後ろの数で割り算して出すのがフィボナッチ比率です。
<フィボナッチ数列:0.618の計算式:フィボナッチ比率>
1:1÷1:1
1:1÷2:0.5
2:2÷3:0.666
3:3÷5:0.6
5:5÷8:0.625
8:8÷13:0.615
13:13÷21:0.619
21:21÷34:0.617
34:34÷55:0.618
55:55÷89:0.617
89:89÷144:0.618
計算の結果は、途中に0.618に近い数値が現れ、後半の計算値は全て0.618に近い数値になります。
他に、フィボナッチ数列のそれぞれの数を2つ後ろの数で割り算すると、計算値は途中から全て0.382に近い数値になります。
<フィボナッチ数列:0.382の計算式:フィボナッチ比率>
1:1÷2:0.5
1:1÷3:0.333
2:2÷5:0. 4
3:3÷8:0.375
5:5÷13:0.384
8:8÷21:0.380
13:13÷34:0.382
21:21÷55:0.3818
34:34÷89:0.382
55:55÷144:0.3819
89:89÷233:0.3819
と、永遠に0.382の近似値になります。
更に、3つ後ろの数で割り算をすると、0.236の近似値になります。
<フィボナッチ数列:0.236の計算式:フィボナッチ比率>
1:1÷3:0.333
1:1÷5:0.2
2:2÷8:0. 25
3:3÷13:0.231
5:5÷21:0.238
8:8÷34:0.2352
13:13÷55:0.2363
21:21÷89:0.2359
34:34÷144:0.2361
55:55÷233:0.2360
89:89÷377:0.2361
黄金比
黄金比は世の中で最もバランスがとれた、美しい比率とされていて、歴史的な建造物(パルテノン神殿)や美術品は、この黄金比を基に作られているデザインが多いです。
身近な物では国旗や名刺なども、この比率で作られています。
フィボナッチ数列のそれぞれの数を1つ前の数で割ると1.618の近似値になります。
<フィボナッチ数列:計算式:黄金比>
1:1÷1:1
2:2÷1:2.0
3:3÷2:1.5
5:5÷3:1.666
8:8÷5:1.6
13:13÷8:1.625
21:21÷13:1.61538
34:34÷21:1.6190
55:55÷34:1.617
89:89÷55:1.618
この、1対1.618が黄金比率と呼ばれています。
この3つのフィボナッチ比率と黄金比は、相場の上昇局面における一時的な下落後の押し目買いや、下落局面における一時的な上昇後の戻り売りを予測するのに使われます。
フィボナッチをチャートに表示
次に、フィボナッチをMT4のチャートに表示させて、トレードに活かす使い方です。
MT4のメニューバーにある「挿入」⇒「フィボナッチ」この中に5種類が用意されています。
「リトレースメント」「タイムゾーン」「ファン」「アーク」「エキスパンション」
今回、値幅の戻りは何処まで届くのかの予測できる、「フィボナッチ・リトレースメント」と、次の値幅はどこまで伸びるのかを予測できる「フィボナッチ・エキスパンション」の使い方を解説いたします。
フィボナッチ・リトレースメントの使い方
基点になる直近最安値から、直近最高値にフィボナッチ・リトレースメントを引きますと、下げ止りのポイントになる、23.6%、38.2%、50%、61.8%それぞれの位置にラインが引かれます。
これらの位置は、押し目買いポイントの候補になります。
上記チャート画像はUSD/JPYの4時間足チャートです。
直近最安値109.768円から、直近最高値114.611円にフィボナッチ・リトレースメントを引いて、戻りがどこまで来るのかを想定します。
下げ止まりの候補としては、23.6%戻しの場合は113.468円辺りで再度上昇するのですが、ここはスルーされています。
38.2%戻しの場合は112.761円で下げ止まり、上昇に転じるのですが、ここは1日程度のもみ合った後、更に下落しています。
次の、50%はフィボナッチ数では有りませんが、半値戻し位置となり注目度は高いです。
そこでも多少もみ合った後、61.8%111.618円で完全に下げ止まりました。
フィボナッチ・エキスパンションの引き方
フィボナッチ・エキスパンションは、エントリー後にレートが何処まで伸びるのかを予測しますので、利益確定決済ポイントを探すのに使えます。
前項のリトレースメント、61.8%で下落が止まり、反転した後②で再度下落し、先の61.8%で再び止りました。
ここがロングエントリーの位置です。
どこまで伸びるのかをエキスパンションを使い予測をします。
高止まり位置161.8%の114.144円が利益確定決済ポイントになります。
③のエントリー位置が111.618円で、クローズ位置は114.144円ですので252.6pipsの獲得益になります。
まとめ
フィボナッチ数列は自然界の中にも、人が作り出す造形の中にも、潜在的に取り込まれています。
FXは多くのトレーダーが同意した方へ進んでいきますので、最もバランスがとれた美しい比率とされる、フィボナッチに影響を受けているのは理にかなっている考え方とも言えるでしょう。
今回のフィボナッチ以外にも知っておくと便利なテクニカル手法は数多くあります。
白熱教室のメルマガでも毎週紹介しているので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
<フィボナッチ・リトレースメントがチャートで使えるおすすめのFX会社>