FXトレード時に、どの通貨ペアを取引するのかは重要です。
通貨には知っておかなければならない、固有の特徴があります。
FXはその異なる個性の通貨を組み合わせて、通貨ペアとして取引を行います。
今回、メジャー通貨とマイナー通貨の違いや、それらを取引するメリットとデメリットを解説します。
メジャー通貨とマイナー通貨の違い
メジャー通貨は、外国為替市場の中で取引量が多く流動性の高い通貨のことを言い、米ドル・ユーロ・円・ポンド ・豪ドル・加ドル・スイスフランなどの事を呼びます。
流動性の高さから、米ドル・ユーロ・日本円は「世界三大通貨」と呼ばれています。
反対に、取引量が少なく流動性の低い通貨をマイナー通貨、もしくはエキゾチック通貨と呼び、トルコリラ・南アフリカランド・メキシコペソなどを指しております。
メジャー通貨
米ドル・ユーロ・円・ポンド ・豪ドル・スイスフラン・加ドル など
<メジャー通貨の特徴>
政策金利が低い=受け取りスワップポイントは殆ど無い
スプレッドは狭い=手数料が安い
ボラティリティーは-低い=相場が穏やか
流動性が高い=リクオート・オフクオートは発生しない
マイナー通貨
トルコリラ・南アフリカランド・メキシコペソ など
<マイナー通貨の特徴>
政策金利が高い=受け取りスワップポイントは多い
スプレッドは広い=手数料が高い
ボラティリティーは-高い=変動幅が大きく、相場の急変は珍しくない
取引量が少ない=リクオート・オフクオートも発生
メジャー通貨は先進国通貨になりますので、政情が安定しており経済力も強く、市場参加者が多いため流動性も高いです。
一方、マイナー通貨国はインフレ率が高く政策金利を高くせざるを得ませんので、保有しますと受け取りスワップは多いです。
スワップポイントを狙った投資が魅力的である一方、メジャー通貨に比べ価格が不安定という特徴があります。
通貨単独のシェア率
1位USD:アメリカドル44%
2位EUR:ユーロ16%
3位JPY:日本円11%
4位GBP:イギリスポンド6%
5位AUD:オーストラリアドル3%
6位CAD:カナダドル3%
7位CHF:スイスフラン2%
8位CNY:中国人民元2%
9位SEK:スウェーデンクローナ1%
10位NZD:ニュージーランドドル1%
上記以外の合計11%
FXメジャー通貨ペア一覧
通貨ペア名 | 取引高 | シェア率 | 特徴 |
---|---|---|---|
EUR/USD(ユーロ/米ドル) | 1,584 | 24% | 世界1流通量が多い通貨ペア |
USD/JPY(米ドル/円) | 871 | 13% | 2番目に流通量が多い通貨ペア |
GBP/USD(ポンド/米ドル) | 630 | 10% | 3番目に流通量が多い通貨ペア |
AUD/USD(豪ドル/米ドル) | 358 | 5% | 基軸通貨と資源国通貨ペア |
USD/CAD(米ドル/加ドル) | 287 | 4% | 基軸通貨と資源国通貨ペア |
USD/CHF(米ドル/スイスフラン) | 228 | 4% | 基軸通貨と安全通貨の組み合わせ |
EUR/GBP(ユーロ/ポンド) | 131 | 2% | 取引量2位のユーロと4位のポンド |
EUR/JPY(ユーロ/円) | 114 | 2% | クロス円通貨 |
EUR/ CHF(ユーロ/スイスフラン) | 73 | 1% | ユーロペッグ崩壊時に世界中大混乱 |
その他の通貨ペア合計 | 2,314 | 35% | |
合計 | 6,590 | 100% |
※グローバル市場における1日平均、単位:10億米ドル(出典:国際決済銀行2019年)
FXマイナー通貨ペア一覧
通貨ペア名 | 特徴 |
---|---|
ZAR/JPY(南アフリカランド/円) | 高金利通貨とマイナス金利通貨、長期の下落トレンド |
MXN/JPY(メキシコペソ/円) | 高金利通貨とマイナス金利通貨、長期の下落トレンド |
TRY/JPY(トルコリラ/円) | 高金利通貨とマイナス金利通貨、長期の下落トレンド |
EUR/ZAR(ユーロ/南アフリカランド) | 0金利通貨と高金利通貨、長期の上昇トレンド |
USD/ZAR(米ドル/南アフリカランド) | 低金利通貨と高金利通貨、長期の上昇トレンド |
EUR/TRY(ユーロ/トルコリラ) | 0金利通貨と高金利通貨、長期の上昇トレンド |
USD/TRY(米ドル/トルコリラ) | 低金利通貨と高金利通貨、長期の上昇トレンド |
USD/MXN(米ドル/メキシコペソ) | 低金利通貨と高金利通貨、長期の上昇トレンド |
メジャー通貨ペアとマイナー通貨ペアのスワップポイントを比較
メジャー通貨ペアとマイナー通貨ペアのスワップポイントを比較します。
※XMTRADINGの1日0.1Lot(1万通貨)スワップポイント 2021年5月20日調べ
メジャー通貨ペア | ロング | ショート | マイナー通貨ペア | ロング | ショート |
---|---|---|---|---|---|
EUR/USD | -59.42円 | -12.62円 | EUR/ZAR | -317.73円 | 117.40円 |
USD/JPY | -23.10円 | -35.90円 | USD/ZAR | -238.91円 | 73.72円 |
GBP/USD | -41.90円 | -40.81円 | EUR/TRY | -974.74円 | 265.37円 |
AUD/USD | -25.47円 | -20.79円 | USD/TRY | -776.26円 | 186.74円 |
USD/CAD | -30.296円 | -29.16円 | USD/MXN | -206.40円 | 43.08円 |
メジャー通貨ペアは、スワップポイントは全てマイナスになります。
マイナー通貨ペアは、ショートポジションの受け取りスワップが非常に多いです。
メジャー通貨ペアとマイナー通貨ペアの変動率比較
メジャー通貨ペアとマイナー通貨ペアの前日比を出して、ヒストリカルボラティリティを比較してみます。
(期間2018年1月2日~2021年5月20日)
メジャー通貨ペア | HV | マイナー通貨ペア | HV |
---|---|---|---|
EUR/USD | 5.847% | EUR/ZAR | 13.554% |
USD/JPY | 6.293% | EUR/MXN | 12.465% |
GBP/USD | 8.327% | EUR/TRY | 19.334% |
マイナー通貨ペアの変動率(HV)は非常に高いです。
マイナー通貨ペアは市場参加者が少なく流通性が低い為、投機筋などが値幅の開いた予約を大量に入れて約定された瞬間に価格が急激に変動します。
そのため、メジャー通貨と比べるとはるかに変動率が高くなってしまいます。
まとめ
今回、メジャー通貨とマイナー通貨の違いと特徴を書いてきました。
メジャー通貨は、スワップポイントは殆ど受け取れませんが、スプレッドは狭く、安定した取引が出来ます。
マイナー通貨は、受け取りスワップは多いですが、HVが大きくスプレッドも広く、リスクが高い通貨です。
どちらも一長一短あるため、メリットとデメリットをしっかりと把握した上で自分に合った通貨を選ぶと良いでしょう。
メジャー通貨はほぼすべてのFX会社で扱っていますが、マイナー通貨は取扱っている会社が限られてくるので注意が必要です。
<マイナー通貨の取扱が多いおすすめのFX会社>
キャンペーン情報のほか、トレードに役立つコラムや経済ニュースを載せていますのでぜひご覧になってくださいね。
メルマガの登録はこちらから