世界の基軸通貨である米ドル。
2022年5月、米ドル/円は131円を超えて上昇しました。
しかし、これだけを見てドルが強いと判断するのは危険です。
「ドルインデックス」を確認することで、相対的なドルの強さを知ることが出来ます。
ドルインデックスとは?
ドルインデックスは「ドル指数」とも言われ、主要な通貨(ユーロ・円・ポンドなど)に対する米ドルの強さを示した指数です。
一般的に、ドルインデックスが上昇していると主要通貨に対して米ドルが強い(買われる)と判断し、下落していると米ドルが弱い(売られる)と判断します。
インターコンチネンタル取引所(ICE)や国際決済銀行(BIS)など複数の機関が作成しており、作成元により算出方法に違いがあり多少値動きが異なります。
ICEは6通貨を対象として算出しているのに対し、BISは40通貨を対象として算出しています。
また、ICEはリアルタイムでデータが更新されますが、BISは1日1回の更新になります。
以降はICEのリアルタイムチャートで検証をして行きます。
※インターコンチネンタル取引所(ICE)
アメリカに本社がある取引所グループ。
ニューヨーク証券取引所、ICE Futures U.S、ICE Futures Europe、ICE Futures Canadaなどの取引所を傘下に持つ。
創業は2000年5月11日で12の取引所を傘下に持つ。
※国際決済銀行(BIS)
1930年に設立された中央銀行相互の決済を行う組織である。
通貨価値と金融システムの安定を目的として中央銀行の政策と国際協力を支援している。
通常業務として各国中銀の外貨準備を運用する機関投資家でもある。
ドルインデックスと主要通貨の関係
ドルインデックスの変動を見ることで、主要通貨に対し米ドルの強弱(買われ過ぎ・売られ過ぎ)がわかり、現在の相場はどの通貨で動いているのかを分析できます。
<2022年5月時点でのICEドルインデックスの各通貨の構成比率>
ユーロ(EUR):57.6%
円(JPY):13.6%
英ポンド(GBP):11.9%
カナダドル(CAD):9.1%
スウェーデンクローナ(SEK):4.2%
スイスフラン(CHF):3.6%
ユーロの比率が高いという特徴があり、ユーロの強弱の影響が多少強くなる傾向があります。
ドルインデックスと米ドル円の比較
上記チャート画像はドルインデックス4時間足チャートのサブウインドウに、米ドル円を表示させています。
ドルインデックスと米ドル円チャートは上記画像を見ますと、相関性が高いと判断できます。
しかし、詳細に見て行きますと、反する変動をしている個所が多々あるのが分かります。
現在、2022年5月26日時点の動きは、ドルインデックスとドル円は最高値を付けた後の調整局面と言えます。
3月4日114.523円を基点としてドル円急騰が始まっていますが、ドルインデックスの上昇はローソク足44本先に始まっています。
その時ドル円は2月3日からレンジ相場にいました。
更に、ドル円の急騰開始から15日間は、ドルインデックスはレンジ相場の状態になっています。
ドルインデックスのレンジブレイクした3月31日以降は、同じ方向を向いて強く上昇をしています。
FX相場はドルが強くなっているにも関わらず、ドル円はレンジ相場になり、逆にドルがレンジになっているにも関わらず、ドル円は強く上昇しているような状況もあるということです。
ドルインデックスと米ドル円とユーロドルの比較
上記画像は前項で使用したチャートに更にユーロドルを追加して描画しています。
上記画像を見る限り、ユーロドルはドルインデックスと逆相関関係に有ると言えます。
ドルインデックスの上昇の基点2月2日はユーロドルの下落の基点になっています。
更に、ドル円の上昇開始から15日間ドルインデックスはレンジ相場ですが、ユーロドルの同じ期間レンジ相場を形成しています。
レンジ相場が終わりドルインデックスは上昇を開始し、ユーロドルは下落が開始しました。
この現象は、日本円の構成比率が13.6%に対してユーロは57.6%の構成比率になる為、ユーロの強弱に大きく影響を受けている現れです。
まとめ
今回、ドルインデックスの解説とFXの関連性を書いてきました。
ドルインデックスとドル円は相関性が見られますが、ユーロドルは更に逆相関性が高いことが分かりました。
トレードを行う通貨ペアがGBP/USD・USD/CAD・USD/CHFの場合はこれらのドルインデックスと関連性も気にしておくといいでしょう。
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