米国のラルフ・ネルソン・エリオットが考案した、エリオット波動理論。
N波動の組み合わせのパターンで作られた形をエリオット波動とし、フィボナッチ数列とも組み合わせることでより細かくトレンドを分析します。
相場の流れをいちはやく読み取るために幅広く使える理論です。
相場のトレンドには一定のパターンが存在する
相場の変動にはサイクルがあり、値動きには一定のリズムがあります。
相場変動の様子は必ずN字で動き続けるN波動の連続で構成されています。
このN波動の形から、以下のトレンドを見極めていくことになります。
◆上昇トレンド…上値も下値も切り上げて進行している状態
◆下降トレンド…上値も下値も切り下げて進行している状態
◆レンジ相場…一定の狭い上下動で進行している横ばい状態(相場の7割はレンジです)
エリオット波動の形
エリオット波動理論は、レートが上昇・下降のN字を描きながら、推進→調整、そしてまた、推進→調整と繰り返す中で、上昇5波、下降3波、で構成されるパターンになるというものです。
エリオット波動の形は3度の推進と2度の調整で天井となり、2度の下落と1度の戻りで相場の一巡と考えます。
上昇トレンドでは5波動上昇、3波動下落で一巡となります。
逆に、下落トレンドでは逆の5波動下落、3波動上昇の一巡もあります。
エリオット波動の基本ルールとして
・2波が1波の始点を下回らない(上回らない)こと
・3波が最も短くならないこと
・4波が1波の高値を下回らない(上回らない)こと
があります。
チャートを見る際はこのルールを意識すると良いでしょう。
チャートパターン例
上昇の推進1波で上昇していたチャートが、調整2波で下落をしますが、1波の基点(安値)を割ることは無く推進3波へと向かいます。
3波は後に説明するE波動になるケースが多く、強い上昇をして行きます。
そして、やがて4波の調整波(浅い下落)になり、上昇推進5波の頂点をむかえます。
ここからは、下落の推進A波になり下落していきます。
上昇の調整波であるB波を挟んで、下落の推進C波になり強く下落して行くケースも有ります。
これで、1サイクルが完了します。
特にC波動は暴落になることも有りますので、注意した方が良いです。
この際に特にトレンドを読み取るポイントとなるのが3波です。
E波動
N波動の3波が伸びた状態をE波動と言い、強い上昇をあらわしています。
N波動は1波と3波は基本同じ長さで推進しますが、E波動は3波がN波動よりも伸びます。
推進1波で頂上を迎えた高さでラインを引きますと同じ高さだけ推進3波が伸びているのがわかります。
エリオット波動理論では、推進3波は一番値幅が伸びる部分ですので、N波動が認識出来ましたら、E波動になる事を想定し、エリオット波動理論を意識して相場に対峙しましょう。
チャート線の引き方
エリオット波動を使った分析はまずはチャートに線を引くところから始めます。
また、エリオット波動はフィボナッチ数列と深い関係があると言われています。
フィボナッチ比率を使った値幅観測は、チャートのリトレースメント機能を使って行うことができます。
戻り値の目安などに使われるフィボナッチ比率に基づいた水準をあらわしてくれるフィボナッチリトレースメントを使うことで、2波の戻り値を予測したり、4波の上昇幅を予測することができます。
フィボナッチリトレースメントは各FXチャートで使えることが多いですが、ヒロセ通商などアプリでもフィボナッチリトレースメントが自動で表示できる機能も便利です。
まとめ
エリオット波動は波動理論の王道です。
エリオット波動を使った分析をすることで、事前にこの先に来るであろう波を予測することができます。
エントリーポイントはもちろん、フィボナッチ数列と組み合わせることで利確や損切の目安位置も意識できるため、覚えておいて損のない分析方法です。
エリオット波動のルールをしっかり理解して、いち早くトレンドを読み取るようにしましょう。
アプリでもフィボナッチリトレースメントが自動で表示できるFX会社→ヒロセ通商