AIが発達した今でも、株取引は人間の心理が大きく関わってきます。
今回はそんな減少を目の当たりにした体験談をご紹介します。
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株式投資を始めて数年たったころです。
そのころ、私はサラリーマンをやめて貿易を自営していました。
いつものように仕事の帰りに喫茶店でコーヒーを飲みながら読書を楽しんでいると、店内の電話から、男の声が響いてきました。
「え、なに、松下幸之助が死んだ・・・」
その声はよく聞こえ、私もすこし驚きました。
松下幸之助といえば、松下電器(現パナソニック)を創業した伝説の経営者です。
その人が死んだというのです。
一つの時代が終わったなという感慨でした。
その電話の声が店内に響いたのち、店内かサラリーマン風の男性が一人また一人と姿を消していきました。
考えてみれば、その喫茶店は証券会社の集まっている地域に近いのです。
その後、自宅に帰った後、証券会社に電話をすると、担当者は 「また、そんな噂が流れましたか」 と笑っていました。
つまり誰かが故意に松下幸之助死亡の噂を流したのです。
松下幸之助死亡の噂が流れると、松下電器の株価が少しでも一時的にさがります。
それを狙ったのです。
後日、新聞の経済欄に松下幸之助氏死亡のデマがながれる」という小さな記事が載っていました。
松下幸之助さんは悪意のある投資家に何度殺されたことでしょう。
投資の世界は無責任な噂を流す輩も多いということを身にしみて知りました。