MT4標準装備のトレンド系テクニカル指標の一つに「Envelopes（エンベロープ）」があります。
価格と移動平均線の乖離が拡大した所で、逆張りにエンベロープは使用できます。
今回はエンベロープを取り上げて、見方や有効的な使い方を解説していきます。
エンベロープとは
エンベロープは「移動平均乖離率バンド」と言われ、移動平均線を中心に上下に一定間隔の距離で引いた線の形状になります。
そして、現在の価格が移動平均線からどの程度離れた位置にいるかを知ることが出来ます。
価格は移動平均線からある程度乖離すると、移動平均線に戻ってくるという性質があり、エンベロープの上限ライン・下限ラインをトレンドの反転する目安として見ることが出来ます。
また、サポートライン・レジスタンスラインの役目として見ることも出来ます。
エンベロープをMT4に描画
MT4を起動させて、トレードをする通貨ペアを表示させます。
メニューバーの「表示」⇒「ナビゲーター」を表示し
「インディケータ」⇒「トレンド」と進んで⇒「Envelopes」をチャートにドラッグアンドドロップします。
エンベロープのパラメーターを設定
・パラメータータブ
期間：25日を使うケースが多いです
移動平均の種別：Simpleがデフォルト
他にExponential、Smoothed、Linear Weighted
適用価格：Close（終値）がデフォルト
他にOpen、Hight、Low、Median Price、Typical price、Weighted Close
偏差：日足2%～3%が一般的です
・色の設定タブ
ラインの色上限：任意な色に設定できます
ラインの色下限：任意な色に設定できます
線種と太さも任意で選択が出来ます。
・レベル表示タブ
レベル設定に0を加えますと、中央に25日SMA（単純移動平均線）が引かれます。
色設定は任意で選択できます。
線種と太さも任意で選択が出来ます。
※乖離の目安は25日移動平均線対比となり、目安として日足で「2～3%」に設定します。
※別の時間軸で利用する際には、調整が必要になります。
エンベロープの計算式
エンベロープの計算式：
アップバンド（上限ライン）＝ n日移動平均線×（1＋m％）
ローバンド（下限ライン）＝ n日移動平均線×（1－m％）
移動平均線（SMA）の計算式：
移動平均線（SMA）＝ n日間の終値を足しnで割ります
単純移動平均線（SAM）は価格の終値（Close）で計算されるため、「エンベロープ」で表示される線は終値を基準に表示することになります。
『単純移動平均線（SAM）』に一定の乖離率をかけて、「エンベロープ」が形成されることになります。
エンベロープの使い方
上記はUSD/JPY日足チャートにエンベロープを表示させています。
エンベロープは25日単純移動平均線に2%（黄色線）3%（緑色線）の設定です。
価格が移動平均線を中心とした上下のラインに接近・到達した時は、反転する可能性があります。
①は2%ラインで反転し、移動平均線で再度反転し、更に2%ラインに届き反転、また移動平均線で反転しています。
②は3%ラインまで届き、反転し移動平均線で更に跳ね返されています。
③は2%ラインで反転し、移動平均線を越えて2%ローバンドの近辺で反転をしています。
エンベロープ利用の注意点
相場に勢いがある場合、上下それぞれのエンベロープラインに価格が到達しても反転しないことがあります。
強いトレンドの発生時は、ラインにローソク足が張り付いた状態や突き抜けで推移します。
しっかりと反転したことを確認してから、エントリーをします。
ローソク足にヒゲが出た状態で、エンベロープにタッチした時は反転の確率が高いです。
エンベロープとボリンジャーバンドを比較
上記画像はUSD/JPY日足チャートにエンベロープとボリンジャーバンドを重ねて表示させています。
白色の点線がボリンジャーバンド±3σでラインを引いています。
価格のボラティリティが小さい時は殆どエンベロープとボリンジャーバンドは平行ラインを描きます。
しかし、価格の変動幅が急激に拡大してエクスパンション状態になりますと、ローソク足はボリンジャーバンド＋3σのライン上をバンドウォークして推移しています。
エンベロープはボラの大小に関係なく、移動平均線から一定間隔で描画されて推移します。
まとめ
今回、エンベロープの解説をしてきました。
エンベロープは移動平均線との乖離を表し、トレンドの方向性を掴むのに役立ちます。
上限下限ラインにタッチした際は、反転の確率は高まりますが、勢いの有る相場では突き抜けるケースも多く、しっかりと反転を確認した後にエントリーをするようにして下さい。
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