FXで自動売買(EA)をしたいと計画していても、いきなり動作させるのは怖いものです。
どんなに優秀なEAを入手出来ても、実口座で動作させる前に、過去のチャートデータを使いバックテストをしないとなりません。
今回は、MT4に標準装備されているバックテストツール、ストラテジーテスターの機能を説明いたします。
MT4の自動売買に必要なもの
MT4で自動売買をする為に必須なものがあります。
①自動売買ソフト:EA(エキスパートアドバイザー)
これを用意できないと自動売買は出来ません。
フリーEAは下記サイトなどで紹介されています。
https://mt4trader.net/free-ea
②EA検証(バックテスト)用ツール:MT4ストラテジーテスター
EAは本番で稼働させる前に過去チャートを用いてバックテストを行うのが重要です。
MT4のストラテジーテスターはメニューバーから「表示」⇒「ストラテジーテスター」でチャート画面が切り替わります。
ツールバーにもアイコンが用意されています。
ストラテジーテスターの使い方
①プルダウンメニューをクリックして、保存したEAを表示します。
※サンプルとして、移動平均線とMACDを利用したEAが用意されています。
②EAを動作させる通貨ペアを選択します。
③期間は利用するチャートのローソク足時間軸を決めます。(画像はM15=15分足)
④スプレッドを決めます。
デフォルトは現在値(現在動作中のスプレッド)ですが具体的な数値を入れます)
⑤モデルは「全ティック」を選びます。
⑥バックテストする期間を決めて開始日と終了日に入力します。
※ヒストリーデータに無い期間の検証は出来ません
⑦ビジュアルモードにチェックを入れるとチャートが開きます。
動作を早くしたい場合はチェックを外します。
⑧スライドバーで検証スピードが変更できます。
つまみを右に移動させると検証速度が早くなります。
一時停止ボタンとスキップを設定すると指定日時へジャンプします。
⑨
・エキスパート設定>テスト設定
初期証拠金:バックテストで使用する初期資金と通貨(画像は米ドル)
ポジション:保有するポジション(ロング&ショート・ロングのみ・ショートのみが選べます)
最適化パラメーター:
Balance→口座残高を基準に最適化※基本はこちらを選択
Profit Factor→プロフィットファクター(総利益/総損失)を基準に最適化
Expected payoff→期待損益(総損益額/総トレード数)を基準に最適化
Maximal Drawdown→最大ドローダウン額を基準に最適化
Drawdown Percent→ドローダウン率を基準に最適化
Custom→オリジナルの基準で最適化
遺伝的アルゴリズム:最適化の計算を行う上で、結果の悪いものを省いて計算するような効率的なテストを行います。チェックを入れるとバックテストの時間を短縮することができます
・エキスパート設定>パラメーターの入力
パラメーターの入力タブではどのパラメーターのどの範囲で最適化を行うかを設定します。
最適化を行うパラメーターの左側にチェックを入れ、スタート、ステップ、ストップの数値を入力します。
スタートは最適化を行う範囲のスタート値=最小値になります。
ストップ=最大値です。
ステップは最小値から最大値までの間をどのくらいの間隔でチェックしていくかの数値となります。
・エキスパート設定>エキスパート(EA)最適化
最適化タブでは一定の条件になったらテストを止めるという制限を加えることができます
特にここは入力しないでも問題ありません
・通貨ペアのプロパティ(取引条件)
ここで通貨ペアの情報を閲覧できます。
スプレッド:若干広めに設定しておくと、実際の取引に近い結果が出ます
小数桁:少数点以下
ストップレベル:現在価格から開けなくてはいけない値幅
等の情報を見ることが出来ます。(変更は出来ません。)
・チャートを開く
ボタンをクリックしますと、チャートが開きます。
・エキスパート編集
メタエディターが開きパラメーターの設定よりも細かい編集が出来ます。
⑩「スタート」ボタンで⑪のチャートが開き、自動売買が開始します。
※最適化にチェックは入れません(バックテストを行う際は、この最適化は関係しません)
ストラテジーテスターでEAを検証
EAは無料・有料に関係なく、MT4仕様に作られているEAであれば動作させることが出来ます。
今回、バックテストをするEAは海外サイトからダウンロードしたMT4用のEA「Ten MAs Wave EA.ex4」を動作させてみます。
◆今回使用した「Ten MAs Wave EA.ex4」は下記サイトからもダウンロードが可能です。
https://mt4fan.net/ranking/
バックテストEA「Ten MAs Wave EA.ex4」の特徴
Ten MAs Wave EA.ex4のEAは、EMA16日~25日までパラメーター日数を1日ずらして10本の移動平均線の乖離・収縮・クロスで売買を行います。
EAの設定は以下のとおりです。
MAInit:12→16
MASep:2→1
StopLoss:0→500
テスト期間:2021年9月30日~2021年11月5日
テスト時間軸:15分足
テスト通貨ペア:USD/JPY(米ドル/円)
スプレッド:2pips
結果の確認方法
ここまでは、「セッティング」タブをみて来ましたが、下記タブの項目ごとに解説をします。
※「最適化結果」と「最適化グラフ」のタブは最適化に今回はチェックを入れて動作させていませんので、ここでは無視します。
テスト「結果」タブ
「結果」タブの表示データは取引履歴になります。
「buy」と「sell」でエントリーを繰り返し「close」でトレードしている状態を見ることが出来ます。
損益と残高が金額で書きだされますので非常に分かり易いです。
※データ量は多くなりますので途中カットしています。
グラフタブ
トレード結果をグラフで見ることが出来ます。
急激に下降しているシーンはドローダウンの大きさを表しています。
良いEAは右肩上がりに推移していきます。
今回は検証期間が短い為、上下の振動幅が大きくなっています。
レポートタブ
重要なのがレポートです。
今回は日本円を使用して、口座資金100万円でテストしました。
特に見るべき箇所は以下です。
①純益:総利益から総損失を引いた金額です。(21568.2円)
②総利益:トレード結果の勝ちトレード金額です。(57858.2円)
③総損失:トレード結果の負けトレード金額です。(-36290円)
④プロフィトファクタ(PF):総利益と総損失の割合、システムトレードの優劣を判別する上で重要な指標となります。1以上にならないEAは使えないと判断します。(1.59)
⑤期待利得(期待値):総損益 ÷ 総取引数で計算されます。売買をする度に得られる利益であり、ここがマイナスになるEAはトレードをする度に損をするため、プラスにならないEAは使えません。(458.9円)
⑥最大ドローダウン:最大の負け幅で、この金額が大きいEAは危険です。(12769.6円1.27%)
⑦相対ドローダウン:資金が最大の減少率を表します。(負け割合1.27%)
⑧総取引数:設定したバックテスト期間中に取引した回数です。(47回)
⑨勝率:勝ちトレードの割合です。19(40.43%)
⑩負率:負けトレードの割合です。28(59.57%)
まとめ
入手したEAはバックテストの結果で判断して、使用するかしないかを決めますので、大変重要な作業になります。
EAのパラメーター設定いかんで変化するため、今回テストしたMT4用EA「Ten MAs Wave EA.ex4」も設定方法を変えればパフォーマンスが上がる可能性もあります。
バックテストをしますと、良いEAか?そうでないEAか?が一目瞭然になります。
勝てないEAは、永遠と負け続けてしまい、証拠金を減らし続けてしまいますので、ストラテジーテスターでバックテストを入念に行い、運用するか、取りやめるかを決めましょう。
テストのやり方は簡単ですので、記事を参考に色々なEAを試されることをお勧めいたします。
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