数年前から話題になっている仮想通貨ですが
為替との関係はどのようになっているのでしょうか?
今回は仮想通貨の間でもメジャーな「ビットコイン」を中心に解説します。
法定通貨の特徴
法定通貨の場合は、たとえばドルが売られて円が買われるとドル安・円高が進み、逆のパターンではドル高・円安になるという“綱引き”が繰り広げられています。
また、テロなどで地政学的リスクが高まると、ドルが売られて比較的安全だと言われている円やスイスフランが買われるという傾向もあります。
地政学的リスクについてはこちらの記事も参考に
→日本でも安心できない地政学リスクと為替の関係
では、仮想通貨と法定通貨との間には何らかの関係性があるのでしょうか?
あるいは、仮想通貨同士の間でも“綱引き”のような動きが見られるのでしょうか?
仮想通貨の特徴
言うまでもないことかもしれませんが、ビットコインをはじめとする仮想通貨の価格は、それを買いたい人たち(需要)と売りたい人たち(供給)のバランスによって決まるものです。
それぞれの国家が発行・管理している円やドルなどの法定通貨に対し、ビットコインをはじめとする仮想通貨はブロックチェーンに参加している人たちが共同で管理し、世界共通で使用できるものであり、論理的にも関係性がないとされています。
また、法定通貨の場合は必要に応じて発行国の政府が為替相場に介入し、過度な通貨高や通貨安を阻止することがありますが、仮想通貨にはいずれの国も関わっていないので、こうした介入とも無縁です。
仮想通貨と法定通貨の関係
ただ、仮想通貨を手に入れるには、法定通貨と交換することが必要になるのも事実です。
世界的に見て最も多いのは「米ドル→ビットコイン」の流れですが、こうした動きは法定通貨の為替相場やビットコイン相場に何らかの影響を及ぼしているのでしょうか?
法定通貨は貿易や越境eコマースなどに幅広く用いられており、仮想通貨との交換がもたらす影響は軽微であるようにも思われてきました。
しかし、仮想通貨、特にビットコインの認知度はここ数年で非常に高まっているため、次第に法定通貨との関係性が顕在化してきている可能性も考えられてきています。
ビットコインは米ドルとの関係
実は、米ドルとビットコインは逆相関の関係にあると指摘する声があります。
<ドル円 日足>
<BTC/ドル 日足>
米ドル/円と米ドル/BTCのチャートを比較したところ、確かに対円で米ドル安が進むとビットコインの価格が上がるという傾向がうかがえるようにも見えます。
また、逆に米ドル高が進んだ局面ではビットコインの価格が下降傾向にあると言えなくもなさそうです。
そうなると、米ドルの価値が高まるのに伴って、「ビットコイン→米ドル」に交換する動きが活発化し、逆に米ドル安が進むと「米ドル→ビットコイン」という流れが生じているとの仮説も成り立つように思われます。
そもそも、ビットコインはまだ10年程度の歴史しかないため、当初はほとんど認知されていなかったのも確かです。
したがって、逆相関の関係にあることを立証するだけのデータがそろっていないというのが現実でしょう。
今後の推移を観察しながら、関係性の有無を見定めていくことになりそうです。
人民元の影響
法定通貨とビットコインの関係性と言えば、人民元のことを連想する人もいることでしょう。
中国では富裕層を中心に、人民元をいったんビットコインに交換したうえで米ドルなどの外貨建て資産に移すという動きが活発化してきました。
人民元が売られてビットコインが買われるという大きな流れが生じていたのです。
しかし、中国政府はそれを規制によって禁じました。
また、人民元の為替相場は完全な変動制に移行しておらず、中国政府のコントロール下にあります。
人民元の相場変動はきちんと実態を反映しているものとは言いがたく、よってビットコインの価格との関係性も正確には確認できなくなっています。
まとめ
法定通貨と比べると歴史の浅い仮想通貨は、法定通貨との関連性や仮想通貨同士の関連性を実証できるほどのデータはまだ揃っていない状況です。
しかし、昨今のチャートからはドル円とビットコインの逆相関の関連性も指摘されていたり、人民元との関係性もいまだ囁かれています。
今後さらに仮想通貨の取引が活発になれば、さらに法定通貨への影響も色濃くなってくるかもしれないため、今後も仮想通貨の動きには注目しておきたいところですね。
経済ニュースをいち早く知るにはアプリが便利です。
ニュースアプリのダウンロードはこちら
→FXニュース速報まとめ
仮想通貨の取引に興味がある人は以下のFX会社もおすすめです。
仮想通貨の取引もできるSBI FXTRADE
仮想通貨のチャート分析が可能なゴールデンウェイ・ジャパン
トレードに役立つコラムや経済ニュースを載せていますのでぜひご覧になってくださいね。
メルマガの登録はこちらから