相場の方向性と転換点を示唆する、Accumulation/Distributionを使ったことはありますか?
Accumulation/Distribution(A/D)は日本語で言いますと、「蓄積/分布(分配)」になります。
A/Dが相場の方向性と転換点を示してくれる仕組みと、効果的な使い方を解説いたします。
Accumulation/Distribution(A/D)を解説
FX相場でトレンド転換が始まる直前は、天井や底に到達する前に決済しようとするトレーダーの注文と、トレンドを維持したいと踏ん張るトレーダーの注文数が拮抗する状態になります。
アップトレンドですと、決済するトレーダーの注文は「売り」になり、現状維持を願うトレーダーの注文は「買い」になります。
この均衡が一挙に崩れた時にトレンド転換が起ります。
A/Dの「蓄積/分布(分配)」というのは、この「買い」と「売り」を指していますので、A/Dのラインはこの「買い」と「売り」出来高を考慮したバランスをサブウインドウにラインで描画します。
Accumulation/Distributionの計算式
A/Dの計算式は以下のとおりです。
A/D=(終値-安値)-(高値-終値)/(高値-安値)×出来高
これにローソク足1本前のA/Dを足したものがチャートに表示されるA/Dとなります。
計算式から分かることは、価格が高値圏にいるシーンではA/Dのラインは上方にいることになり、価格が安値圏にいるシーンではA/Dのラインは下方にいることになります。
Accumulation/Distributionに描画させる方法
Accumulation/Distributionを表示
MT4が起動しましたら、メニューバーの「挿入」⇒「インディケータ」⇒「ボリューム」内に「FAccumulation/Distribution」が有りますので、クリックをします。
パラメーターの設定ウインドウが開きます。
Accumulation/Distributionのパラメーター設定
パラメーターの変更はラインのカラーと線種のみが変更できます。
見やすいカラーと線種に変更してご利用できます。
Accumulation/Distributionの使い方
上記チャート画像はUSD/JPYの4時間足にA/Dをサブウインドウに描画させたものです。
価格とA/Dに引かれた赤色線がダイバージェンスが現れた箇所になります。
ここがショートエントリーのサインです。
上記チャート画像ではダイバージェンスが3ヵ所現れております。
価格とA/Dに引かれた青色線はコンバージェンスが現れたヵ所になります。
ここがロングエントリーのサインです。
コンバージェンスは1ヵ所現れております。
<ダイバージェンスの解説>
価格は上がり続けていますが、A/Dは下落が始まり価格とA/Dが乖離した状態のことをいいます。
<コンバージェンスの解説>
価格は下がり続けていますが、A/Dは上昇が始まり価格とA/Dが収縮した状態のことをいいます。
①のダイバージェンスの出現でショートエントリーをしますと、110pipsの取得が出来ます。
②のダイバージェンスの出現でショートエントリーをしますと、120pipsの取得が出来ます。
③のコンバージェンスの出現でロングエントリーをしますと、420pipsの取得が出来ます。
④のダイバージェンスの出現でショートエントリーをしますと、現在進行中ですが60pipsの取得が出来ます。
Accumulation/Distributionの欠点
A/Dの売買サインは、ダイバージェンスとコンバージェンス以外に基準がありません。
ダマシに遭わずに済みますので、トレードの効率は良いですが、売買チャンスが少ないことが欠点です。
他のインジケーターと併用することで欠点を補うことができます。
前項で使用したUSD/JPYの4時間足にA/DとMACDを併用させてチャート分析をします。
A/Dの売買サインのダイバージェンスとコンバージェンスの位置が、MACDではデッドクロス位置とゴールデンクロス位置に該当しますので売買サインの信頼度が上がります。
更に、MACDではロングエントリーポイントとショートエントリーポイントが1ヵ所増えています。
①のMACDゴールデンクロスでロングエントリーをしますと、175pipsの取得が出来ます。
②のMACDデッドクロスでショートエントリーをしますと、ここは20pips収益で終わります。
MACDの詳しい解説はこちら
→エントリーポイントや決済ポイントとしても使えるインジケーターMACD
まとめ
今回、Accumulation/Distributionという売買の勢力図が分かり易く描画され、大いに役立つボリューム系の指標を解説してきました。
A/Dの欠点として売買チャンスが少ないというのがあり、MACDを併用させることで、A/Dの欠点をカバーすることが出来ます。
A/Dに興味を持たれて、利用してみたいと考えられた方は、十分にチャートでの検証をされた後にお使いください。
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