FXトレードする際に、ロット数を決めるのは非常に重要な作業になります。
ロット数を固定してトレードをするのが良いのか?
或いは複利を利用してロット数を変えながらトレードをすることが良いのか?
今回、固定比率ポジションサイジングの方法を解説いたします。
固定比率ポジションサイジングとは?
固定比率ポジションサイジングは、Ryan Jones氏(ジョーンズ)によって考案され、1999年ニューヨークのJohn Wiley&Sonsの著書「The Trading Game」で紹介された新しい資金管理戦略です。
資金管理についてはこちらの記事もごらんください。
→FXにおける資金管理で知っておきたい3つのこと
資産の増減に合わせてポジションサイズを変更する方法が、固定比率のポジションサイジングです。
簡単に言いますと、1回のトレードリスクを資金の一定の割合で抑えて、ロット数はそれに準じて変動させるトレード方法を言います。
トレードロット数を計算で正確に表すことで、資産の増減を管理していくのが固定比率ポジションサイジングということになります。
Fixed Ratio Trading(固定比率取引) を適切に適用することで、平均的な取引システムが驚異的な利益を得ることができると言われています。
固定比率でのポジション数計算方法
ジョーンズが提示した式に基づいて、固定数でのポジション数を次のように導き出すことができます
<計算式>
ポジション数= 0.5× [(1 + 8 × P÷Delta)^0.5 + 1]
P=利益(total closed trade profit)
Delta=パラメータ
<説明>
キャレット(^)は「べき乗」を表しますので、カッコ内の量は0.5(平方根)の累乗になります。
利益Pは、ポジション数を計算した取引の累積利益です。
利益が増えるにつれて、ポジションの数も徐々に増えていきますので複利運用になります。
適正なロット数を計算
ここからは、トレードにおいて最適なロット数の決め方を固定比率ポジションサイジングに準じて解説します。
始めに、下記3条件は必須項目になります。
①トレード1回の許容損失率を設定する(資金の2%~5%)
②ロット数は許容損失額に応じて変化させる
③リスクリワードは1:3 or 1:2(損小利大)
また、決済通貨が円以外の場合は別途円レートも考慮する必要があります。
◆決済通貨が円の通貨ペア
適正ロット数=損失許容額÷損切り幅pips数÷100
◆決済通貨が円以外の通貨ペア
適正ロット数=損失許容額÷損切り幅pips数÷決済通貨の現在円レート
上記チャートはUSD/JPY1時間足画像です。
実際にポジションサイジングをおこなってみます。
・トレード1回の許容損失率は2%
・リスクリワードは1:3
とします。
1回目のトレード | 2回目のトレード(1回目勝) | |
---|---|---|
口座残高 | 1,000,000円 | 1,059,400円 |
許容損失額 | 2%=20,000円 | 2%=21,188円 |
リスクリワード | 1:3 | 1:3 |
エントリー | 109円ロングエントリー | 109.4円ロングエントリー |
損切ポイント | 30pips下落108.7円(直近安値) | 20pips下落109.2円(直近安値) |
利確ポイント | 90pips上昇109.9円 | 60pips上昇110円 |
適正ロット数 | 6.6Lot(6万6千通貨) | 10.5Lot(10万5千通貨) |
負けた場合 | -19,800円 | -21,000円 |
勝った場合 | 59,400円 | 63,000円 |
※適正ロット数計算式(1回目):1,000,000円×0.2%÷30pips÷100=6. 6Lot(6万6千通貨)
※適正ロット数計算式(2回目):1,059,400円×0.2%÷20pips÷100=10.5Lot(10.5万通貨)
※厳密にはスプレッドを加えて計算します(今回は計算が簡単になるよう無視しました)
3回目4回目と勝ち続けますと、複利運用で利益は大きくなっていきます。
勝率50%と30%で10回トレードした際の比較
次に、勝率50%と30%で10回トレードした際を比較してみます。
口座資金=100万円
許容損失率=2%
リスクリワード=1:3
勝率50% | 勝率30% | |||||
---|---|---|---|---|---|---|
回数 | 勝敗 | 損益 | 口座残高 | 勝敗 | 損益 | 口座残高 |
1回 | 勝 | 60,000円 | 1,060,000円 | 勝 | 60,000円 | 1,060,000円 |
2回 | 負 | 21,200円 | 1,038,800円 | 負 | 21,200円 | 1,038,800円 |
3回 | 勝 | 62,328円 | 1,101128円 | 勝 | 62,328円 | 1,101128円 |
4回 | 負 | 22,022円 | 1,079,106円 | 負 | 22,022円 | 1,079,106円 |
5回 | 勝 | 64,746円 | 1,143,852円 | 勝 | 64,746円 | 1,143,852円 |
6回 | 負 | 22,877円 | 1,120,975円 | 負 | 22,877円 | 1,120,975円 |
7回 | 勝 | 67,258円 | 1,188,233円 | 負 | 22,419円 | 1,098,556円 |
8回 | 負 | 23,764円 | 1,164,469円 | 負 | 21,971円 | 1,076,585円 |
9回 | 勝 | 69,868円 | 1,234,337円 | 負 | 21,531円 | 1,055,054円 |
10回 | 負 | 24,686円 | 1,209,651円 | 負 | 21,101円 | 1,033,953円 |
勝率50%の10回トレードの利益:209,651円
勝率30%の10回トレードの利益:33,953円
まとめ
口座資金を減らさない(増やす)為には、始めに許容損失額を決めてトレードロット数を導き出す必要が有ります。
そして、リスクリワードは1:3をキープしますと、勝率は30%でも10回のトレードで勝利になります。
今回は安全な資金管理方として2%ルールを採用し解説しました、更に、口座残高が前月末より6%減少した場合は全てのポジションをクローズして、トレードルールを見直します。
資金管理の一環として、トレードする際にはぜひ固定比率ポジションサイジングを取りいれてみてくださいね!
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