バンド系のインジケーターと言えば、ボリンジャーバンドやエンベロープをイメージするかと思います。
また、これらを使用しているトレーダーの数も、今回紹介する「ケルトナーチャネル」よりも圧倒的に多いでしょう。
しかし、ケルトナーチャネルはボリンジャーバンドよりも古くに開発されたテクニカル指標です。
一度、利用してみる価値はあると思います。
Keltner Channel(ケルトナーチャネル)とは?
ケルトナーチャネルは、ボリンジャーバンドよりも古くに開発されたテクニカル指標です。
チェスター・W・ケルトナー氏(Chester W. Keltner)が1960年に刊行した本「商品でお金を稼ぐ方法」の中でKeltnerChannelsの原型となる指標が示されました。
KeltnerChannelsは、ボリンジャーバンドやエンベロープに似た3本のラインで構成された、バンド型のインジケーターです。
パラメーターで設定可能な特定期間の移動平均値をミドルラインに設置し、それより上のラインと、下のラインで構成されています。
上限と下限のラインはミドルライン(SMA)の設定する期間で乖離が決まります。
日足の高値/安値の範囲の倍になるように設定するケースや、ATRの範囲の倍に設定することもよくあります。
ボリンジャーバンド、エンベロープ、ATRの解説はこちら
→標準偏差「Standard Deviation」とボリンジャーバンド・ADXの関係
→価格と移動平均線の乖離で逆張りの可能性を示すEnvelopes(エンベロープ)
→1日の平均的な値動きを意味するATRの使い方を解説
KeltnerChannelsをMT4に表示する方法
KeltnerChannelsはMT4の標準インジケーターには含まれていません。
無料のインジケーターですので、ぜひ、ダウンロードしておいてください。
◆KeltnerChannelsのダウンロード
https://www.abysse.co.jp/mt4/indicator_name_k.html
ダウンロード後はMT4の所定位置にセットアップをして下さい
KeltnerChannelsの設定
<パラメーター>
MA_PERIOD:移動平均期間
MA_MODE:移動平均の種類
PRICE_MODE:使用価格の種類
ATR_PERIOD:ATRの期間
K :バンド幅の算出
ATR_MODE:ATR使用の可否
※パラメーターを変更する場合
◆MA_PERIOD:移動平均の種類
0…単純移動平均線(SMA)
1…指数平滑移動平均線(EMA)
2…平滑移動平均(SMMA)
3…線形加重移動平均線(LWMA)
◆PRICE_MODE:使用価格の種類
0…CLOSE(終値)
1…OPEN(始値)
2…HIGH(高値)
3…LOW(安値)
4…MEDIAN PRICE(高値+安値)÷2
5…TYPICA PRICEL(高値+安値+終値)÷3
6…Weighted Close(高値+安値+終値+終値)÷4
KeltnerChannelsの計算式
KeltnerChannelsを計算するためには、最初に移動平均線(SMA)を計算する必要があります。
※MetaEditorで編集しますと、指数平滑移動平均線(EMA)に変更できます。
EMAは単純な移動平均線(SMA)と違い、直近の価格をより重視した移動平均線となります。
BW(バンド幅)の計算方法は複数ありますが、現在主流になっているのがATRを用いる方法(BW= N日ATR)です。
計算式
①ミドルバンドの移動平均線(SMA)を計算します
Middle Band={ (高値 + 安値 + 終値) ÷ 3}のN日SMA
②上部バンドを計算します
Upper Band= Middle Band + BW × 1.5
③下部バンドを計算します
Lower Band= Middle Band – BW × 1.5
KeltnerChannelsの見方
KeltnerChannelsの見方は、価格(為替レート)が上限のラインを実体が突破する場合、ラインに沿ってバンドウォークを行い上昇トレンドが続くと判断します。
逆に価格が下限のラインを実体が突破する場合も、ラインに沿ってバンドウォークが行われ、下落トレンドが続くと判断します。
・上限ラインをローソク足の実体が上抜く、或いは反転した場合は、ロングエントリーのサインになります。
・下限ラインをローソク足の実体が下抜く、或いは反転した場合は、ショートエントリーのサインになります。
・ローソク足の実体が下限ラインを上抜いた場合は、ロングエントリーのサインになります。
・ローソク足の実体が上限ラインを下抜いた場合は、ショートエントリーのサインになります。
・ミドルバンドを上下に移動している場合は、レンジ相場になります。
上記画像の例でエントリーすると以下のようになります。
◆青色〇:上限ラインを上抜いた、或いは反転した位置→ロングエントリー
◆黄色〇:下限ラインを下抜いた、或いは反転した位置→ショートエントリー
◆緑色〇:下限ラインを上抜いた、或いは反転した位置→ロングエントリー
◆橙色〇:上限ラインを下抜いた、或いは反転した位置→ショートエントリー
ケルトナーチャネルとボリンジャーバンドの比較
白色ラインがボリンジャーバンド±1σになります。
紫色ラインがケルトナーチャンネルです。
ミッドバンドはどちらもSMA20日間に設定しています。
似たラインを描画しますが、ボリンジャーバンドの方がエクスパンション状態で広がる傾向があります。
まとめ
今回は、ボリンジャーバンドと似た形の、Keltner Channelの特徴と使い方を、解説しました。
ボリンジャーバンドが、バンドを参考に高値安値を判断するのに対して、Keltner Channelは上限ライン下限ラインを越えることでトレンドの発生を判断し、更に進行をする順張り的な使い方のイメージです。
センターにミドルバンドを配置し、上下に一定間隔のラインを引くところは同じですが、扱い方には違いがあるということも覚えておきましょう。
<ケルトナーチャネルが使えるおすすめのFX会社>
キャンペーン情報のほか、トレードに役立つコラムや経済ニュースを載せていますのでぜひご覧になってくださいね。
メルマガの登録はこちらから